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手描き江戸凧

更新:2010年10月29日

橋本禎造
昭和63年度指定(平成3年認定解除)

 江戸時代中期、京・大坂から江戸に伝わった凧は、主に半円形の無地のものでした。その後、江戸では浮世絵版画が流行、庶民の中から浮世絵の一枚絵を大空に上げたいという要望が出て、角形の絵凧が発生したといわれています。江戸末期には、武者絵や役者絵を描き、竹に細断ちの和紙を巻いた「巻骨」を裏に張った凧が、江戸独特の凧として定着し、現在まで受け継がれています。

 橋本禎造さんは、明治37年下谷区車坂(現、東上野2丁目)で生まれました。父留吉さんは際物師で、鯉のぼり・団扇のほか凧も作っていました。禎造さんは、その父のもとで13歳から本格的に凧作りをはじめ、伝統的な技法で製作を続けていました。

 橋本さんの凧は主に角凧で、その工程は紙貼り、下図描き、色入れ、骨組み、糸付けの順ですが、もっとも大事な作業は凧絵描きです。その特徴は、凧が大空に舞い上がったとき、絵が鮮やかに見えるように、顔を大きく中心にとり、鬢や髭を描いて勇ましく見せ、手や道具類などの細部は大まかに描き、全体に明るい彩色とすることです。

 かつて江戸凧の職人は、下谷・浅草をはじめ各地におりましたが、台東区では橋本さんが最後のお一人でした。

橋本さんは平成3年11月18日お亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。

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