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つげ櫛作り

更新:2010年10月29日

竹内 勉
平成14年度指定

 日本列島で櫛は縄文時代から使用されていました。縄文時代の櫛は、動物の骨角などに彫刻を施したものや、木製の歯を編み込んで朱漆で塗り固めたもので、髪を飾るための挿櫛さしぐしでした。

 髪をすく梳櫛すきぐし解櫛ときぐしが作られるようになるのは奈良時代になってからで、すでにつげ櫛が作られていました。万葉集にも、つげ櫛が詠まれています。

 つげ櫛は装飾的な櫛ではなく、その形態は奈良時代からほとんど変わっていません。江戸時代後期になると女性の髪型が多様化し、また歌舞伎役者や相撲力士などの髪を結う床山など、髪結いを専業とする職人が増加すると、つげ櫛もその目的に応じて様々な種類のものが作られました。

台東区を含めた周辺地域には、櫛職人が集まっていた地域が何か所かあり、なかでも十三やがある池之端元黒門町周辺は、つげ櫛職人が多く集住していた地域でした。

 十三やは元文元年(1736)創業。森鴎外の文学作品・雁にも十三やの名がみられ、明治期においても知られていました。

 竹内勉さんは14代目。中学校卒業とともに十三やに入り、職人の醍醐善次郎さんに師事しました。以来数十年間、つげ櫛を作りつづけています。竹内さんは、櫛の歯挽き以外はすべて手作業で、江戸時代に完成したつげ櫛製作の技術を継承しています。現在、日本国内でつげ櫛製作の技術を一貫して体現できる職人はとても少なく、そのため全国からあらゆる注文を受け付けています。つげ櫛は日本髪を結うための必需品であり、日本の風俗・文化と密接に関係しています。竹内さんは、つげ櫛の製作技術に習熟し、今日に体現できる人物として貴重な存在です。

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