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豊住町遺跡出土資料 一括

ページID:333447728

更新日:2024年2月20日

台東区教育委員会
平成27年登載

 本資料は、平成14年8月~同年11月に台東区文化財調査会が実施した、発掘調査の出土品です。
 本調査地は、上野台の東の低地にあり、江戸時代前期は寺院地、中頃からは幕臣「御切手同心」の敷地で、拝領町屋でした。発掘では、近世前期の墓、中期以降の区画溝と、その中に建物基礎・地下室・井戸の遺構が発見されています。
 出土品は、縄文時代の土器・石器があります。なかでも石器は、区内では類例のない「石匙いしさじ」が発見されています。近世では、多種多様な陶磁器類や木製品・金属製品が多く出土しています。
 注目される近世遺物は、寺院関係として位牌、信仰関係として土製小仏像があります。とくに、土製小仏像は4体あり、3体は地蔵菩薩型、1体は大仏型で、すべての底面に「心成」、さらに大仏型の背面には「大佛」と刻まれています。江戸時代の「文政町方書上」(1825~1828)には、「下谷御切手町」から同様の物が出土した記載があります。また、より古い文献である「江戸砂子」(1687)や「江戸鹿子」(1733)にも、井戸跡より発見された仏像が紹介されています。
 他に「入谷土器」である「坂四樂喜」銘の行平鍋等の陶磁器や、墨書の札・蓋などの木製品、小判形の製品・迷子札などの金属製品が出土しています。なお、墨書には本調査地の江戸時代の町名である「御切手町二丁目」や、近隣である「下谷通新町」などの地名が見られます。近代には、本調査地の旧町名である「豊住町」をはじめ、周辺の地名や酒屋名を記す徳利などが出土しています。
 本資料群は、区内では類例のない縄文時代の石匙、近世寺院関係資料や、状態の良い位牌、多様な陶磁器類や木製品・金属製品がみられます。ことに土製小仏像は、江戸時代の文献史料の記述とも対応しており、歴史的にも貴重である上、信仰面からも興味深いものです。

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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