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木造観音菩薩立像(福寿院)

ページID:333615427

更新日:2024年2月19日

福寿院
平成11年登載

 橋場福寿院の観音菩薩像頭部は平安時代後期の作で、「定朝じょうちょう様式」という仏像彫刻の特徴をそなえています。
 定朝とは、11世紀初め頃の京都の仏像彫刻師(仏師といいます)です。代表作は、宇治平等院鳳凰堂の本尊阿弥陀如来坐像。丸顔のおだやかな表情に、どっしりとした体格をそなえていることが、大きな特徴です。
 定朝の彫刻は、時の権力者藤原道長ふじわらのみちなが頼通よりみち親子をはじめ貴族たちに好まれたため、定朝は大きな工房を構え、多くの弟子たちとともに仕事を行っていました。ちなみに、平等院鳳凰堂の壁面を飾っている51躯の雲中菩薩群うんちゅうぼさつぐんは、定朝の弟子たちが制作したものです。
 このように、定朝が確立し、その弟子たちが継承した仏像彫刻の作風を「定朝様式」といいます。以後、定朝様式はわが国の仏像彫刻の主流となり、鎌倉時代に独自の作風を確立した運慶うんけい快慶かいけいらにも大きな影響を与えています。
 福寿院の観音菩薩像頭部は、ゆるやかな肉取りに丸みをおびた面相、温和な顔立ちなどに定朝様式の特徴が出ています。しかしながら、定朝様式初期の作品に比べ、やや形式化した作風となっています。したがって、この頭部の制作年代は、定朝の活躍時期よりも半世紀から1世紀を経た西暦1100年頃、定朝様式を受け継いだ仏師が制作したものと思われます。
 本像の頭部は、形式化が始まっているとはいえ、定朝様式が顕著に表れた遺品のひとつとしてたいへん貴重です。


木造観音菩薩立像

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生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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