台東区ナンバー16遺跡出土黒楽釉茶碗
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更新日:2010年12月1日
台東区教育委員会
平成13年度登載
平成3年6月、元浅草4丁目5番地先で土木工事中に発見されました。ほかに近世の陶磁器類・古銭・人骨なども出土しています。江戸時代の切絵図では当地は万福寺、大乗院等の寺院が見られるので、本品は寺院に関わるものと推定されます。
大きさは口径約11.5センチメートル、底径約12センチメートル、器高約7センチメートルで、半筒形で
ほぼ完存していますが、口縁部から体部の中ほどにかけて一筋の赤漆継ぎが施されており、使用時のヒビ割れを補修したものと推測されます。
制作年代は、江戸時代前半頃であり、楽家の製品と推定されます。楽茶碗は一般的に器面全体、あるいは高台を除いた全面に釉を総掛けにしており、釉は黒釉、赤釉が主です。通常高台内あるいは体部下端に製作者の樂印を刻印しています。本品に樂の刻印はありませんが、やや大振りの作りや釉調等から楽家初代長次郎風の古手と推測されます。
なお区内では平成12年に登載した池之端七軒町遺跡出土埋葬関係資料の近世墓副葬品で完存の黒樂釉茶碗(6代佐入頃の製品)などがあります。
黒樂釉茶碗
黒樂釉茶碗
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