一般質問の概要

一般質問とは 区の仕事全般について、区長等に報告や説明を求めることです。


台東区議会自由民主党

森喜美子


区有施設の水害対策の強化について

 今回の台風19号のような近年の異常気象のもとでは、予想を超える大雨が起こり得ることとして、ハード面とソフト面での洪水対策を講じる必要があると考える。1 防水板による止水等、本庁舎をはじめ、区有施設における建物への浸水対策を具体的に考えるべきではないか。2 浸水した場合に備え、水害時の業務継続計画を策定すべきではないか。

 1 本庁舎では各出入口等に防水板を設置し、屋上に非常用発電機を増設するなど、構造上対応可能な浸水対策を行っている。他の区有施設においても、防水板の設置を進め、改築時等に併せて電気設備の上層階への整備を進めている。今後、本庁舎をはじめとした区有施設が浸水した場合の影響を具体的に想定し、被害を最小限にとどめる効果的な方策を検討していく。2 現在、応急対応業務やタイムラインの精査を進めており、引き続き策定に向けて検討していく。

ICT教育におけるタブレットPCの活用とプログラミング教育の取り組みについて

 1 タブレットPCについては、一部の区において全校で導入され、高い評価を受けている。本区では昨年度、モデル校として一部の小中学校で導入しているが、それ以外の児童生徒も新たな体験ができるICT教育を遅滞なく受けられるよう、早期の全校導入に向け、更なる努力をすべきではないか。2 来年度に導入されるプログラミング教育への対応について、児童生徒がコンピュータを使って意図した動きを実現できる楽しさを知り、コンピュータの理解が深まるよう、準備すべきではないか。

 1 モデル校での成果と課題を踏まえ、より安全なネットワーク環境を構築したいと考えているため、学校関係者とともに十分に検討を重ね、来年度中の導入を目指している。全小中学校の子供たちに新しい学習指導要領が掲げる資質・能力が確実に育まれるよう、早期実現に向け引き続き努力していく。2 プログラミング教育推進校の指定とともに教員研修を実施しており、推進校では既に報告会を開催し授業実践等を全校に周知した。今後もプログラミング教育が円滑に実施されるよう、各学校の取り組みを支援していく。

その他の質問項目
男女平等推進行動計画の進捗状況とLGBT等への取り組みについて


たいとうフロンティア

河井一晃

防災について

 水害時には上野公園一帯と谷中墓地が避難場所となるが、区民や来街者等が避難するには場所が不足すると考える。1 水害ハザードマップに縁故避難を優先的に行い、それから水平避難等を行うよう記載してはどうか。2 広域での避難場所確保のため、都や近隣区と連携すべきではないか。

 1 現行の水害ハザードマップに記載されている水平避難等に加え、今後は縁故避難についても追記するとともに、各避難方法の更なる周知を図っていく。2 関係自治体等による検討会で広域的な避難に関する課題を整理しており、今年度中に方針が示される予定である。この結果を踏まえ具体的な避難対策を検討していく。

私道整備の助成について

 本区で実施している私道整備の助成は、水溜りや穴埋め等の部分的な補修は対象としておらず、破損したままの危険な私道もある。本区の私道の多くは公道に面しており、たくさんの方が通行するため、安全対策や景観等の観点から、私道の整備は必要である。そこで、部分的な補修についても助成の対象とすべきではないか。

 部分的な損傷に伴う補修にあたっては、権利関係の判別が非常に困難であることや、一箇所に損傷があった場合、他の箇所の損傷も想定されることから、本区では全体的な整備を助成の対象としている。部分的な補修に対する助成については、他の自治体の制度も含め研究していく。

その他の質問項目
1 東京2020パラリンピックについて
2 親育てについて


台東区議会公明党

小菅千保子

防災・減災対策について

 1 (ア)自主防災組織である町会単位の防災会議は、小さな単位だからこそ具体的な課題を議論できる重要な場であるため、区で支援すべきではないか。(イ)家族で防災について話し合うことは、自助の備えとなる重要な取り組みである。家族防災会議の日を制定し、促進すべきではないか。2 自主防災組織単位の訓練は防災・減災への要になり、組織内に防災士を育成し、組織を充実させることは多くの命を救うことに繋がる。組織の方の防災士資格の取得を支援すべきではないか。

 1 (ア)町会が主催する防災訓練に関する相談等の支援を行っている。防災に関する会議等も、地域の防災力向上を担う大切な役割を果たすため同様に支援していく。(イ)家族で防災について話し合うことは防災意識向上に寄与するため、啓発に努めている。家族防災会議の日の制定は、他自治体を参考に研究していく。2 防災指導者講習会等を案内し、自主防災組織の対応力強化に役立てていただいている。資格取得の支援は防災士会等と連携を図っており、引き続き検討していく。

がん対策について

 1 国は、スマート・ライフ・プロジェクトとして、元気に健康で毎日を送れる事を目標に、具体的な実践行動の呼びかけを行っている。区民のがん予防と健康寿命等の延伸のため、この実践行動の周知・啓発を更に進めていくべきではないか。2 思春期及び若年成人世代であるAYA世代のがん患者は、治療が生殖機能に及ぼす影響等、様々な問題に直面する。そこで、AYA世代のがん患者に対する相談体制の整備等に取り組むべきではないか。

 1 日常的な実践行動に繋がるものとして、イベントにおける食事診断等の事業を推進している。今後も取り組みを充実し、周知・啓発を進め、健康寿命の延伸に努めていく。2 国は教育支援等、年齢等に応じた課題を抽出し、相談体制の整備についても推進する方向で検討している。本区ではがん患者に対し、保健師による相談や専門医療機関への紹介等を行ってきた。今後は国の検討状況を注視しつつ、関係機関と連携し対応に努めていく。

その他の質問項目
1 災害時における液体ミルクの活用について
2 出産・子育て支援について
3 高齢者肺炎球菌ワクチン接種について


つなぐプロジェクト

青鹿公男

台東区におけるオリンピック・パラリンピックのレガシーについて

 本区では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた台東区の取り組み方針を策定し、スポーツや文化等の5つの分野を中心に、全ての個人がスポーツに参加できる環境づくりや本区の魅力の国内外への発信強化など、様々な事業に取り組んでいる。これらの取り組みは、大会終了後においてもレガシーとしてしっかりと継続・発展させていくべきと考えるが、レガシーをどのように残し、展開していくのか。

 大会の関連事業として、文化・芸術等の区の魅力を広めるたいとう文化発信プログラムによる情報発信、障害者スポーツをはじめ多彩なスポーツイベントの開催など、様々な事業に取り組んでいる。また、区民にも来街者にも利用しやすいまちづくりとして、ハード・ソフト両面のバリアフリー化を進めている。これらの取り組みを着実に推進することにより、その成果をレガシーとして、今後の地域の活性化や区民生活の一層の向上にしっかりと繋げていく。

無電柱化の今後について

 無電柱化は、災害に強いまちづくりだけでなく、景観に配慮したまちづくりやユニバーサルデザインに寄与するなどのメリットがある。本区では区道の無電柱化を推進するため、電線類地中化モデル実施事業において馬道通りやかっぱ橋本通りの工事を行い、様々なノウハウが蓄積できていると考える。また、電線共同溝による地中化のほか、新しい工法もあると聞いているが、無電柱化を今後どのように進めていくのか。

 これまで馬道通りやかっぱ橋本通りの無電柱化整備を進める中で、効果や課題を整理してきた。浅草等の一部地域では、無電柱化が難しいと言われている歩道の無い狭隘な区道について調査を実施してきた。これらを踏まえ、区の基本的な考えを示した無電柱化推進計画の策定に取り組んでいる。本計画では、無電柱化を推進するための基本方針や整備手法等を打ち出すとともに、電柱を増やさない施策として、一部の区道で新たな電柱の占用を制限することも検討している。計画については、来年3月までの策定を目指していく。

その他の質問項目
1 台東区における中高層建築物及び集合住宅建築にかかわる紛争予防について
2 区立小中学校におけるPTA活動の支援について


日本共産党台東区議団

秋間洋

地球温暖化防止をはじめとする環境問題について

 1 新たな環境基本計画において、温室効果ガス排出量の削減目標を、国連気候行動サミットで事務総長が提唱した、2030年までに45%削減、2050年までに実質ゼロとする目標に修正し、地球温暖化を抑制する行動を区民と進めるべきではないか。2 本区は、ペットボトル等以外のプラスチックごみを燃やすごみとして焼却し、大量の温室効果ガスを排出している。(ア)プラスチック製の容器包装も含めた資源回収に踏み出すべきではないか。(イ)プラスチックごみの減量を区民にアピールすべきではないか。

 1 国際的な枠組みには至っていないため、パリ協定を踏まえた国の目標値を設定している。引き続き環境問題に関する動向を注視しながら、区民等と協働し地球温暖化対策に取り組んでいく。 2 (ア)回収した資源を選別し保管する施設の確保等の課題もあるため、今後も研究していく。(イ)イベントでのPR等を行っているが、今後も出前講座等の様々な機会を捉え啓発に努めていく。

ジェンダー平等について

 1 男女平等推進行動計画改定に伴う基本的な考え方についての審議会からの答申を受け、庁内にどのように展開し中間のまとめとしたのか。また、ジェンダーの視点を区政全分野に貫くにはどのような課題があるか。 2(ア)子供の年齢や発達に応じた適切な性教育の情報とは何か。(イ)包括的な性教育の必要性について、どのように考えているか。また、学校と教員が主体的に関わる授業を展開すべきではないか。 

 1 内容を全庁的に周知するとともに、庁内検討組織で中間のまとめを作成した。男女平等参画の推進には、あらゆる施策等にジェンダーの視点を取り込むことが重要であり、職員の意識を一層高めていく必要がある。 2(ア)学習指導要領に定められた内容を学年に応じて、正確かつ確実に指導していくことだと考えている。(イ)異性の尊重等、あらゆる教育活動との連携により効果が高まると考えている。現在、中学校で学習指導要領の内容を教員が指導計画に基づき指導しており、今後も学校が主体となり、児童生徒の個人差に応じて指導していく。


都民ファーストの会台東区議団

中村謙治郎

災害時における避難所の運営について

 1 地域防災力の向上心が高い谷中地区の取り組みを参考に、避難所運営委員会の活性化を図り、各避難所に運営マニュアルの策定を促すべきではないか。2 水害時に自主避難所を円滑に運営できるよう、早期のマニュアル策定が必要ではないか。

 1 より一層の情報提供を行うなど、各運営委員会の活性化に向けた支援を実施していく。2 早急に整備すべきと考えており、現在、庁内組織で検討を進めている。

オリンピックマラソン開催地変更を受けた上での東京2020大会にかける区長の思いについて

 マラソンと競歩の開催地変更に多くの区民が喪失感を感じている。本区が一丸となり大会を成功させるため、改めて東京2020大会への思いを伺う。

 区内唯一の競技であるパラリンピックマラソンを成功させるため、準備を進めていく。今後も都等と連携し大会の成功に向けて取り組み、その成果をレガシーとして確実に継承していく。


台東区民会議

掛川暁生

高齢者の見守りにおけるコミュニケーションロボットの活用について

 愛媛県西条市では、AIを内蔵した見守りロボットを高齢者宅に設置し、見守りを支援している。このロボットは、定期的に高齢者の写真を撮影し離れて暮らす家族に送付するなど、高齢者と家族がSNSを通じた写真や音声メッセージ等のやり取りにより、意思疎通をとることができる。そこで本区でも、高齢者の見守りの手段の一つとして導入してはどうか。 

 様々な関係機関等と協力し、地域全体で高齢者の見守りに取り組んでおり、配慮が必要な方には個別の見守りも行っている。コミュニケーションロボットの活用は、本区の高齢者の状況、他自治体の動向や技術革新の進展等を踏まえ研究していく。


台東区議会自由民主党

鈴木純

雷門前の「おもてなしの庭」の活用について


 東京2020大会のマラソンコースとして予定されていた、雷門前の並木通りにおもてなしの庭を整備したが、オリンピックのマラソンコースは札幌に変更となった。1 大会期間中、パラリンピックマラソンの選手や来街者等へのおもてなしのため、最大限に活用すべきではないか。2 開催期間外は、季節ごとの花の装飾やライトアップによる年間を通したおもてなしを検討してはどうか。

 1 アサガオの植栽を計画的に実施し、最高の状態で開催時期を迎えられるよう準備を進めていく。2 秋から春は、色とりどりの花を植えたプランター等を設置して花による彩りのおもてなしを行っていく。ライトアップは、道路交通に影響を与えないようにする必要があり関係機関と協議を行っている。大会後も園芸文化等を活用した日本らしさを演出していく。

キッズゾーンの整備について

 子供が被害者となる交通事故が相次ぐ中、保育施設を中心に原則500メートルの範囲で路面標示等による交通安全対策を施す、キッズゾーンの設定推進の方向性が国から示された。本区も、事故を未然に防ぎ未就学の子供を守るため、保護者等との連携などを含め、設置に向けて早期に検討すべきではないか。

 本区では、未就学児の移動経路における交通安全の観点による点検を実施し対策を行っている。キッズゾーンの具体的な対応については、都で検討が進められている。引き続き国や都の動向等を注視しつつ、設置の検討を含め、より安全な園外活動を実現するため、児童の安全確保に最善を尽くしていく。


たいとうフロンティア

青柳雅之

地球環境・清掃事業について

 1 区民のリサイクル意識を高めるため、回収された資源の具体的な使い道を示すなど、リサイクル事業の成果が見える取り組みを行ってはどうか。2 世界的な課題である廃プラスチックによる海洋汚染に対しては、自治体レベルでの取り組みが重要であると考えるが、どのような役割を果たしていくのか。

 1 これまでも、不要となった園芸用土を回収し、再生した後、イベント時に配布するなど、成果が見える取り組みを行っている。今後も、リサイクルの大切さを身近に感じてもらえるよう、工夫を凝らしたわかりやすい啓発に取り組んでいく。2 食品発泡トレイやカップ等の回収を実施している。今後は、現在実施している廃棄物排出実態調査の結果を踏まえ、プラスチック製の廃棄物を含め、必要な対策について研究し、身近な行政としての役割を果たせるよう、リサイクルの推進とごみの減量に努めていく。

沖縄と台東区について

 世界遺産である沖縄の首里城が火災により焼失した。世界遺産が所在するなど、沖縄と様々なつながりのある本区として、再建に向けた応援を行ってはどうか。

 首里城の焼失に胸が痛む思いである。世界遺産サミットに参加し、世界遺産の価値や保全への取り組みの重要性を改めて認識したところであり、世界遺産のあるまち台東区として、一日も早く再建され、未来に引き継がれることを願っている。