区長所信表明

項目
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はじめに
東京2020 大会について
まちづくりの推進について
災害対策について
令和2年度予算案について
■ あらゆる世代が生涯にわたって成長し輝くまちの実現
■ いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現
■ 活力にあふれ多彩な魅力が輝くまちの実現
■ 誰もが誇りや憧れを抱く安全安心で快適なまちの実現
■ 多様な主体と連携した区政運営の推進
おわりに


代表質問の概要

代表質問とは 各会派の代表者が区長提出議案や区長の政治姿勢に対し、質問を行うことです。


台東区議会自由民主党

太田雅久


財政について

 本区の人口は着実に増加している一方、歳出では待機児童対策をはじめとした中長期的な投資的経費が増加しており、歳入では不合理な税制改正による影響も心配される。行政需要の増加に対し様々な施策を展開するためには、安定的な財政運営が必要であるが、財政状況をどのように認識し、また、中長期的な視点から安定的な財政運営をどのように進めていくのか。

 特別区交付金の減収の見込みや、子育て支援の充実等の行政需要の増大など、様々な課題を抱えていることから厳しい局面に立たされる可能性があり、予断を許さない状況である。そのため、将来を見据えた財政基盤の強化が必要であり、より一層の財源確保等に取り組むとともに、景気変動等による財源不足に備え、基金等を有効に活用し、安定的な財政運営を推進していく。

まちづくりについて

 1 都市計画マスタープランにおける上野地区等のまちづくり推進重点地区において、まちづくりに取り組む意義は何か。2 本区のまちづくりをどのような手法で進めていくのか。

答 1 拠点性の向上等の必要性が高い地区を重点地区に設定し、施策の集中的な実施により効果的な都市施策を展開しつつ、地域全体への波及も図ることができると考えている。2 個別計画を地域の意思を反映しながら検討・策定していく必要があり、重点地区はこの考えに基づく取り組みを進めていく。重点地区以外も今後行うべき適切な誘導・規制方策のあり方を検討し、地域との協議を踏まえ進めていく。区民等のまちづくりへの参画等を促進する仕組みを反映した総合的な条例の制定も検討する。

オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについて

 1 東京2020大会の成功に向け、一人でも多くの区民が参加意識を持てるよう、大会への期待感をより一層高める取り組みが必要ではないか。2 パラリンピックのレガシーとして、真の共生社会の実現を念頭において事業を実施すべきではないか。

答 1 
朝倉文夫氏の生誕像の設置や区有施設等における花の装飾等の取り組みを進めていく。特に子供たちには競技の観戦を通じて、人生の糧となるかけがえのないレガシーを残してもらいたいと考えている。2 ボッチャの交流大会等を通じ、区民の障害に対する理解を更に深めていく。今後もハード・ソフトのバリアフリー化等、共生社会の実現に向け取り組んでいく。

ICT教育について

 2年度予算案では、小中学校へのタブレット端末の整備に向けた予算が計上されている。1 新たなICT環境において、教育委員会が目指 す学校教育はどのようなものか。2 タブレット端末の全校への導入及び環境整備をどのように進めるのか。3 教員が端末を十分に使いこなせるよう、支援員等によるフォローアップが必要ではないか。4 児童生徒一人に一台のパソコンを配備するという国の構想に遅れをとらないよう、更なる努力が必要ではないか。

答 1 情報活用能力など、新しい時代に対応する資質・能力の育成である。2 校内で無線ラン接続ができる環境の構築とともに端末の整備を進め、2年度の2学期から順次運用開始を予定している。3 ICT支援員の配置とともに、研修会等を計画的に実施していく。4 国の構想は、新しい時代に対応する資質・能力の育成を促進するものである。引き続き、国や都等の動向も捉えながら、ICT教育の更なる推進を目指していく。


たいとうフロンティア

堀越秀生

令和2年度予算について

 1 新型コロナウイルス感染症による区内産業への影響が懸念される中、区では特別相談窓口を設置した。感染が拡大した際は更なる対応が必要であると考えるが、今後の支援について伺う。2 今回の都区財政調整の協議では、特別区の配分割合が0.1%増えたが、特別区の実態を反映した協議結果ではなかったと考える。今後、配分割合のあり方も含め、協議上の諸課題の解決に向け、どのように取り組んでいくのか。3(ア)確実な財源確保のために、区の特性を活かした独自課税の実施等、課税自主権の活用を検討してはどうか。(イ)今後の見通しを踏まえ、更なる財源確保に向けてどのように取り組んでいくのか。

 1 国等の動向を注視し、関係機関との連携を図りながら新たな制度融資を構築し、サポートを充実していく。2 引き続き特別区長会の一員として、各区との連携を更に緊密に図り、今後の協議に臨んでいく。3(ア)社会経済情勢や行政需要の変化等を踏まえ、研究していく。(イ)収入確保の取り組みなどにより、財源の確保に努めている。今後も、先進自治体を参考にしながら、効果的な財源確保の手法を検討していく。


フェーズフリーについて

 1 平常時と災害時という時期や状態を取り払い、普段利用している商品やサービスを災害時にも使えるようにするという考え方である、フェーズフリーに対する認識を伺う。2 本区のフェーズフリーに関する取り組みについて伺う。

 1 事業の推進において、平常時のみならず、災害時の活用も意識した取り組みが重要であると考えており、フェーズフリーの考え方につ ながるものと認識している。2 かまどベンチなどの備品等を整備し、また、日常備蓄も啓発している。今後も、フェーズフリーの考え方を意識して事業を推進していく。


蔵前一丁目の開発計画に係る地域への配慮について

 1 日本郵政施設跡地における開発は、地域の要望を踏まえ、地域に貢献する施設や機能となるよう、計画段階から区が事業者に働きかけ るべきと考えるが、働きかけは行ってきたのか。2 本計画は、本区のまちづくり方針に沿った内容であると認識しているか。3 区が事業者から開発に係る情報を得た際には、地域住民に周知し、情報共有を図るべきではないか。

 1 本計画は都市計画法等の特別な制度を使用しないものであることから、公共貢献に関する協議は行っていないが、防災等に関しての地域との連携について、協力を求めていく。2 都市計画マスタープランで示した南部地域まちづくり方針では、複合的な土地利用を誘導するエリアと位置づけつつ、みどりの確保等、魅力的な住環境の創出を図ることとしており、本計画は方針に沿ったものであると認識している。3 一定の開発については事業者からの事前周知を義務付けており、説明会を開催する旨の報告を受けている。引き続ききめ細かく地域への情報提供を行うよう事業者に伝えていく。


政策会議の情報公開と行政文書管理について

 1 行政の政策立案の過程を区民が詳細に理解するため、政策会議の議事録を作成し公開すべきではないか。2 行政文書について、どのような規則で管理しているのか。

 1 政策会議の内容は、検討途中の事項が多く公開に適さないものもあることから、引き続き研究していく。2 文書の保管及び保存に関する規定等を定めている。保存年限は、文書の重要度等に応じて、7種類のいずれかを設定している。


台東区議会公明党

小菅千保子


令和2年度予算について

 令和2年度一般会計予算案は過去最高額となったが、地方税の国税化等による減収については依然として懸念材料であり、行政に対するニーズや課題も山積していることから、引き続き歳入の確保等が重要である。このような状況のもと、どのような決意で予算編成を行ったのか。

 健全な財政運営を一層推進する必要がある中においても、区民福祉の向上に向け、長期総合計画等に基づく事業を着実に実施するとともに、東京2020大会の成功に向けて関連事業を推進できるよう、重点的に財源配分を行った。また、災害に強い区の実現を図る事業について財源配分を行った。本予算の着実な執行により、「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向け、全力で取り組んでいく。


SDGs「誰一人取り残さない」地域社会構築について

 国連サミットで示された持続可能な開発目標を指すSDGsは、2030年までに誰一人取り残さない社会の実現を目指すビジョンである。昨年、国はSDGsの実施指針の改定を行い、その中で自治体は更なる役割が求められている。1 多様性への配慮を要するニーズに、どのように包摂性を持って対応していくのか。2 国の実施指針を受け、2030年までの間、本区ではどのように取り組んでいくのか。3 区民等への啓発活動として、SDGs関係の書籍コーナーの設置等、図書館がSDGsに対する理解等を推進してはどうか。

 1 基本構想に区政運営の基盤となる考え方として、平和と多様性の尊重を定めている。また、長期総合計画に人権の尊重等の施策を位置付けており、引き続き本計画に定める施策の推進により、誰一人取り残さない地域社会の実現を図っていく。2 長期総合計画で示したSDGsの理念を踏まえた区政の推進の考えのもと、区民等と連携を図りながら、各分野の施策を着実に推進していく。3 関係機関から情報を収集して資料の充実を図るとともに、コーナーでの展示等、広く周知に努めていく。


子どもの権利条約について

 1 本条約に則り、子供たちや地域等とSDGsの課題達成に向けて行動することが全ての子供への導きになると考える。青年世代を対象に本条約やSDGsを学ぶ機会を設けてはどうか。2 変化が大きい社会を生き抜くためには、子供の自己肯定感を高める必要がある。子供が本条約を深く学び、子供の人権を認識できる環境を整えるべきではないか。

 1 策定中の次世代育成支援計画では、SDGsの優先課題等を定め、その達成につなげていくこととしている。今後は青年世代が集う機会を通じ、学ぶ機会を提供することで、未来のために提言、発信できる人材を育成していく。2 人権教育での学習を通じ、理解を深めている。今後も、子供も大人と同様に人権があること、それらは擁護されなければならないことを実感させる教育を進めながら、自分の存在の大切さに自信を持ち未来を生き抜く力を育成していく。


マンション実態調査を受けた今後の方向性について

 今回実施したマンション実態調査の結果を受け、今後のマンション対策の方向性について、所見を伺う。

 今年度は、マンションの適正管理等を促進するため庁内検討会を立ち上げ、施策の方向性等について横断的に検討を進めている。来年度は、管理組合の設立支援など、早期に対応すべき事業を実施し、施策の方向性等を位置付けたマンションの適正管理等を促進するための取組方針を策定していく。


つなぐプロジェクト

早川太郎

区財政について

 令和2年度一般会計予算案では、歳入は、特別区民税の増収が見込まれているものの、ふるさと納税の影響などが懸念されている。また法人住民税の更なる国税化による特別区交付金の減収などは区財政に大きな影響を及ぼすものと考える。一方歳出は、子育て支援対策や区有施設の維持管理、風水害等への減災対策の充実など、多額な費用が見込まれる課題が多くある。令和2年度を転換点として、厳しい財政状況が現実化してくるのではないかと強く懸念しているが、財政状況が悪化していく状況であっても、多様な行政ニーズへの対応や更なるセーフティネットの確立などは充実させなくてはならない。予算案の編成を終え、区財政に対してどのような認識を持ち、今後どのような区政運営をしていくのか、所見を伺う。

 
令和2年度予算は、子育て支援の充実や教育環境の整備等により、一般会計予算規模は過去最高額となった。一方、歳入は、不合理な税制改正などによる減収の影響もあり、基金を積極的に活用し行政需要に対応したところである。しかし、特別区交付金は今後も大きく減収となることが危惧され、歳出では、引き続き、待機児童対策等の需要増が見込まれることから、区の財政状況は予断を許さない状況である。そのため、更なる事務事業の効率化を進めるとともに、区有財産の有効活用など、より一層の財源確保に努めていく。また、今後の景気変動等による財源不足の際には基金や起債を有効に活用し、健全で安定的な財政運営をすることで、長期総合計画や行政計画に基づく事業を着実に実施するとともに、喫緊の課題に対しても的確に対応し、区民福祉の向上に努めていく。


情報化推進について

 厳しい財政状況の中、区民サービスの拡充等をできる限り実施していくためには、ICTをツールとして効果的・効率的に、そしてタイムリーに活用していくことが必要である。区民サービスの向上や更なるセーフティネットの確立、行政経営の改善、将来に向けての投資に向け、ICTの利活用を更に推進すべきと考える。例えば、多様な電子決済を可能とするマルチペイメントの導入や、マイナポータルの活用による電子申請、感染症の集団発生を早期に探知し、対応するためのサーベイランスシステムの全学校等への導入などは、早期に実施すべきである。来年度は情報化推進計画の改定に合わせて情報政策課が新設され、全庁的にICTの活用をしっかりと推進していく考えであると思うが、情報化推進についての所見を伺う。

 区民サービスの向上等を実現する上で、ICTの効果的な利活用が重要な要素であると認識している。そのため、新設する情報政策課のもと、AIやRPAの導入推進やオープンデータ化の推進等、区の情報化施策を計画的かつ統括的に展開していく。また、区民サービスの利便性向上に向けて、区への申請等について、書面申請に加えて電子申請を可能とする条例を今定例会に提出している。急速に変化するICT環境に柔軟かつ的確に対応するため、区民サービスの向上等の視点から情報化推進計画を改定し、区政の課題解決に向けた取り組みを適時適切に講じていく。今後とも、ICTの効果的な利活用を通じて区の情報化を力強く進め、区民の利便性の向上と地域の活性化に努めていく。


日本共産党台東区議団

秋間洋

区長の「個人の尊厳、多様性」の認識について

 区長は所信表明で、国が「多様性を尊重し、生きがいを感じられる社会実現に向け、改革を進めている」と評価したが、日本はジェンダーギャップ指数が121位に転落するなど多様性とは逆行している。その見解では人権施策を進められない。認識を改めるべきではないか。

 
子育て支援や働き方改革等、各政策の実行に加え、男女共同参画に関連する法制度の整備等、取り組みが進んでいると認識している。

区民生活の認識について

 1 消費税率の引き上げによる区民や中小事業者への影響についての認識を伺う。2 75歳以上の医療費窓口負担の2割化や介護保険施設の食費負担を増やす国の方針に対し、負担増をやめるよう進言すべきではないか。3 2年度予算案における区民生活の現状認識に基づく政策について伺う。

 1 経営上の問題として売り上げの停滞等をあげる事業所もあり、また消費者物価指数の上昇等、区民生活に影響を及ぼしていると認識している。2 国への進言は考えていないが、国の動向を注視しつつ社会保障制度を適切に運営していく。3 子育て支援等を計上し、多胎児家庭支援等を新たに実施する。また災害対策の強化も図る。今後も区民生活の支援に積極的に財源配分を行っていく。

安心して住み続けられる台東区について

 1(ア)中高層建築物の増加によりコミュニティの後退等が進む中、谷中地域では住民と行政が話し合い、高さ制限を含む地区計画の策定を進めている。他地域でも住民参加を前提に、住み続けられる街とするための地区計画策定や土地利用を進めるべきではないか。(イ)集合住宅における単身者向け住戸の設置割合の縮小や商店街に面した集合住宅の一階への店舗設置の義務付け等、ルールを強化すべきではないか。2 法改正による旅館業の規制緩和に対し、区は一定の規制をかけたが、施設は急増している。この現状認識と更なるルールの強化について伺う。3(ア)竜泉二丁目高齢者福祉施設に整備する特別養護老人ホームの定員数は、統合前より最大限に増やすべきではないか。また、統合で廃止となる施設の跡地は、障害者グループホーム等として優先的に活用すべきではないか。(イ)福祉人材戦略を策定し、高齢者や障害者を現場で支える人材の確保に取り組むべきではないか

 1(ア)誘導方策等のあり方の検討を進めており、地域と協議しながら、まちづくりに関するルールづくりに取り組んでいきたい。また、区民の参画等を促進する仕組みを反映した条例の制定も検討する。より多くの地域でまちづくり活動が展開され、誰もがいきいきと暮らし続けられるまちづくりを目指していく。(イ)実態調査では、世帯人数と住戸面積との間に明確な相関性が見られなかったため、設置割合の縮小等は考えていない。店舗設置の義務付けは、区内全域への適用には様々な課題があり、ルールの強化は難しい。今後も地域と共存できる集合住宅のあり方を検討していく。2 施設の増加は、宿泊需要の増加によるものと認識している。これまで許可申請に厳格に対応してきた。ルールの強化は、国等の動向を注視していく。3(ア)定員数は、再編成前より多く確保するよう努めていく。跡地の活用は行政需要等を勘案し、様々な観点から検討していく。(イ)介護職に特化した就職フェア等を行ってきた。人材確保の考え方は、2年度に策定する地域福祉計画で示していく。