予算特別委員会での主な質疑

予算全般

 財政について、感染症の動向により感染症対策経費が増加するなど、更なる財源不足に陥る可能性がある。不透明な社会経済情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応していくため、今後どのように財政運営を行っていくのか。

 先を見通すことが困難な状況下でも、必要な施策の迅速かつ確実な実施が必要であるため、中長期的な視点で財政基盤の強化に向けた取り組みを着実に推進していく。また、感染症対策等の財源は、国等に更なる支援を要望していく。事業の実施にあたっては、より効果的・効率的な予算執行に努めていく。

 今後の行財政運営について、区財政が厳しい中、予算規模の縮小等、区民サービスの低下を伴う財政的な視点で多くの事業を見直しているが、アフターコロナの時代を見据え、施策目標が達成できるよう、中長期的な視点で事業全体の再構築を行うべきではないか。

 当面は事業の重要性等を検証し、スクラップアンドビルドを進めるとともに、業務手法を見直していく。更に、社会経済状況等を把握し、事業のあり方の検討を行い、長期総合計画の改定に反映していく。

歳入

 自主財源の確保について、国の不合理な税制改正等による減収を補うため、シンクタンクを活用するなど、民間経営の視点をもって財源の確保に向けた取り組みを積極的に進めていくべきではないか。

 各種広報媒体での広告事業等、収入確保の取り組みを推進してきた。また、本年4月からは子供育成活動支援事業に寄附型のクラウドファンディングを導入する。今後も民間企業が有する知見等を活用し、区有地活用をはじめ、様々な手法を検討していく。

歳出

 国立西洋美術館について、コロナ禍の中、本年で世界遺産登録5周年を迎える。登録活動を通じ、ル・コルビュジエ財団等の国際的な組織との関係性が構築できたが、今後もこれらの組織と深く連携していくため、オンライン会議等で5周年事業を実施してはどうか。

 区はル・コルビュジエ建築遺産自治体協議会総会に参加するとともに、情報交換を行っている。共同記念事業は協議会を中心に検討しており、区も積極的に協力し、可能なものは参加していく。

 区公式ホームページについて、各ページの情報はそれぞれの所管課で作成しているため、わかりやすさに差が生じている。広報課が中心となり、よりわかりやすいホームページにしていくべきではないか。

 ガイドラインに基づきホームページを運用してきたが、組織間の情報発信内容に差が生じているため、今後具体的な掲載の仕方等、統一的なルールを含め、ガイドラインを改定し、よりわかりやすいホームページになるよう努めていく。

 子どもの権利条約について、普段からその理念に慣れ親しむことができるようにするため、母子健康手帳やたいとう子育てハンドブックに条約の全文が見られるようQRコードを掲載するなど、更なる理解促進を図ってはどうか。

 母子健康手帳等を活用した条約の周知は子育て世帯への啓発として有効であるため、今後具体策を検討していく。引き続き、区公式ホームページ等のあらゆる媒体を活用し、子供の人権に関する周知・理解促進に一層努めていく。

 高齢者の見守りにおけるIoTの活用について、単身高齢者が増加している本区において、電球等の日用品に通信機能を持たせて遠隔で安否確認ができる、IoTを活用した高齢者の見守りについての普及啓発や、将来的な導入が必要ではないか。

 インターネットを活用した見守りは有効であり、今後は高齢者総合相談窓口等で紹介するとともに、区による導入は、コストや行政の関わり方など、検討を続けていく。

 動物愛護について、コロナ禍で動物の展示・販売業者の閉店が見受けられる中、動物の不適切な飼養が懸念される。指導や検査の権限は都にあるが、区として独自の規制を設けるなど、動物の適正飼養を推進するための取り組みを検討してはどうか。

 不適正飼養の情報を察知した場合には、警察等と連携して対応している。また、飼い主には、終生飼養の啓発を推進し、人も動物も幸せに暮らせる社会の実現に向け取り組んでいく。

 新型コロナウイルス感染症対策について、東京2020大会の開催後、更なる感染拡大が懸念されるが、区民の行動変容につながる対策を徹底すべきではないか。

 これまでも区民に対し、感染状況等についての動画メッセージを発信するほか、飲食店等の区内事業者に対し、感染防止対策の徹底を働きかけてきた。東京2020大会の開催に際し、区民や事業者に協力を得ながら、区の魅力発信と感染防止対策の両立に取り組んでいく。

 新型コロナウイルスワクチン接種について、障害がある方にも円滑に接種が実施されるように、コミュニケーションボードの活用や手話サービスの整備等、接種会場における合理的配慮が必要と考えるが、どのように取り組んでいくのか。

 接種会場においてコミュニケーションボードや手話通訳機能付きタブレット端末を配備し、また、車いすで移動できる導線の確保や誘導のためのスタッフの配置等、障害のある方も円滑に接種が受けられるよう対応していく。

 江戸まちたいとう芸楽祭について、現在、映画・演劇・芸能の分野に関するプログラムを組み合わせて実施しているが、更なる発展のため、映画祭・演劇祭・落語祭・歌舞伎祭のように単体の催し物としてはどうか。

 分野ごとのワークショップ等を実施し、区民や来訪者が文化に親しむ機会を提供してきた。今後も、3つの分野の事業をバランスよく実施し発信することで、区民の文化振興や本区に根付く文化の継承・発展に努めていく。

 デザイナー・クリエイターの支援について、本区がものづくりの街として維持・発展していくには、デザイナー等を事業者と結び付け、本区へ定着させる取り組みが必要である。デザイナー等と事業者の交流の促進など、互いの利益につながる支援が必要ではないか。

 創業支援施設でのセミナー等を実施するほか、産業フェアでも交流の機会を設けている。今後もこれらの取り組みの着実な推進とともに、協働等による相乗効果を生み出す支援策を検討していく。

 浅草地区まちづくりについて、令和3年度の予算額では本格的な検討はできないと不安を感じるが、検討は継続的に進めるべきと考える。新型コロナウイルス感染症の収束後に、疲弊した本地区の回復に向けた観光振興と、都市づくりの両方の視点を備えた施策を示すべきだが、今後どのように展開していくのか。

 新たな時代に即した観光地を実現するためのソフト施策や、まちづくりの課題を解決する基盤整備等を検討していく。その上で新たなビジョンの策定に取り組んでいく。

 台東区民カレッジ及び台東学びの広場について、持続可能な地域社会の構築には、当該事業等を通じて区民自ら課題に取り組み、地域を支えていくことが重要であるが、どのように取り組んでいくのか。

 台東区民カレッジでは、地域課題の学習等を取り入れた講座や活動につなげるための相談等により区民が主体的に活躍できるよう支援し、台東学びの広場では、新たに課題解決への意識喚起を図る講座を実施し、地域活動への参加につながる機会を充実していく。

 教育に関わる取り組みについて、令和3年度予算では、小中学校の図書購入予算が削除され、また、学校司書の訪問回数も減少しており、教育の質の低下が懸念される。子どもたちや社会教育に資する教育に関する取り組みは縮小すべきではないが、どのように考えているのか。

 教育の重要性については、状況の変化があっても決して変わるものではない。引き続き、一つ一つの教育活動を工夫するなど、教育環境の向上に取り組んでいく。

 介護予防について、コロナ禍における外出自粛などにより、身体と心の健康を崩している高齢者が多くいる中、介護予防にかかる予算が減額されているが、高齢者の健康を維持していくために、今後どのように取り組んでいくのか。

 ICTを活用した地域での健康づくりの推進を重点事業と位置付け、通いの場など、介護予防活動への支援も充実する。引き続き、介護予防の普及啓発の推進等に努めていく。


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 第2回定例会(6月2日から6月25日開会予定)における各会派の一般質問をジェイコム台東【11チャンネル】で録画放送いたします。
 放送予定は次のとおりです。ぜひご覧ください。
○一般質問
 6月25日(金)午後1時から5時
【再放送は6月26日(土)の同時間】

会派の変更

 「台東区民会議」は3月31日付で解消しました。また、掛川暁生議員は4月1日付で「たいとうフロンティア」に加入しました。