一般質問の概要

一般質問とは 区の仕事全般について、区長等に報告や説明を求めることです。


台東区議会自由民主党

和泉浩司

財政について

 区財政は、高齢化の進行等により、今後も必要経費が増大していくと考えられる。そのような中、基金については、コロナ禍のような不測な事態に備え、特別区税等の増収分は着実に積み立てるとともに、感染症対策に万全を期すなど、有事の際は積極的に活用することも重要である。1 3年度末の基金現在高について、2年度末と比べ、どのように推移すると見込んでいるのか。また、どのように評価しているのか。2 基金の活用に関する考え方と、今後の財政運営に対する決意を伺う。

 1 3年度末の基金現在高見込みについては、一般会計で約512億円となり、2年度末と比較すると約34億円の増となる。今後の財政需要に確実に対応していくため、一定の備えができたと考えている。2 基金については、必要な区民サービスを維持できるよう、将来の行政需要の増加等に備え、税収等の上振れ分を確実に積み立てるなど、一定の残高を確保する必要がある。引き続き、中長期的な視点に立ち、残高に留意しつつ、有効に活用していく。区民の生命と健康、生活を守り抜くため、持続可能な財政運営を推進していく。

人材育成について

 1 近年、職員の新規採用が増加しているが、若手職員に対してより効果的な教育を行うため、職場での日々の職務を通じて指導を行うOJTの拡充が必要ではないか。2 地方公務員の定年延長に伴う役職定年制の導入により、管理職の上限年齢が原則60歳となるため、管理職の確保が大きな課題となっている。そのため、若手・中堅職員の資質向上を図り、管理職に必要なマネジメント能力等を計画的に身に付けさせていくことが急務と考えるが、どうか。

 1 人材育成基本方針に基づき、各職層研修に、OJTの重要性を理解し、効果的な指導法を習得できるカリキュラムを組み込んでいる。来年度は、職員の力を引き出す指導法を習得する研修の新たな実施など、様々な取り組みを通じてOJTを拡充していく。2 これまでマネジメント力など、管理職等に必要な能力が計画的に習得できるよう研修を実施してきた。今後は、研修の充実とともに、管理職選考の受験指導の強化等により、職員の育成を図っていく。更に、人材育成基本方針を改定し、役職定年制の導入等に対応したより効果的な人材育成の方策を実施していく。

その他の質問項目
コロナ禍における区政運営について


たいとうフロンティア

掛川暁生

教育現場に携わる教職員等の雇用時の情報収集について

 近年、教職員等による児童生徒への性犯罪等が度々報じられているが、被害にあった児童生徒が生涯にわたり後遺症に苦しむことを考えると、この問題に真剣に取り組まなければならない。国では法律の制定等により、わいせつ行為等を行った教職員への厳正な対応が進められているが、本区では教職員等を雇用する際の情報収集について、どのように行っているのか。

 区が採用する教職員については、国が提供している過去40年間の教育職員免許状の失効・取上げ情報を検索できるツールで確認を行うほか、必要に応じて前職の退職理由等を確認した上で採用している。引き続き、採用予定者の免許状の失効等の確認を徹底するなど、採用する際の情報収集を適切に行っていく。

自転車の保険加入の更なる普及啓発について

 令和2年から自転車利用者による対人賠償事故に備える保険等への加入が義務化され、都の調査では利用者の約6割が加入している。しかし、コロナ禍における自転車の利用機会の増加や、スポーツ自転車等の普及等により、高額な賠償請求を伴う事故の増加が懸念される。そこで、加入率を向上させるため、更なる普及啓発に取り組むべきではないか。

 TSマーク取得費用助成事業を実施しており、広く事業の周知を図っている。また、自転車安全利用講習会等で保険加入義務化等について情報提供を行っている。区民の理解を深めていくには継続した啓発が大切であるため、今後も普及啓発に取り組んでいく。


台東区議会公明党

中澤史夫

停電を想定した訓練について

 災害時の停電により、災害対策本部の電源が使用できなくなった場合、発電機や蓄電池等の非常用電源を活用することとなる。そのため、非常用電源を活用した場合、全ての機材の電源を確保することが可能であるか、または、必要最低限の機材のみを稼働させるのか、更には、区保有の燃料電池自動車の給電器をどの程度活用できるかなど、あらかじめ様々な想定で訓練しておくことが重要である。そこで、停電を想定した訓練を実施し、非常用電源の活用方法について検証すべきではないか。

 東日本大震災や令和元年台風15号の教訓から、災害時の停電への対応として、区役所の非常用発電機の増設やリチウム蓄電池の導入等、非常用電源の確保に努めてきた。非常用電源の使用時は、災害対策本部で使用できる機器が限られることから、どのように本部機能を維持すべきか、あらかじめ検証しておくことは大変重要である。そのため、今後、区役所の停電を想定した訓練の実施に向けて検討を進めるとともに、区で保有する燃料電池自動車や災害協定により貸与される給電車両を用いた電源確保訓練にも取り組んでいく。

3歳児健診で屈折検査を行うことについて

 子供の視力の成長期に視力の成長が妨げられ、眼鏡をかけても視力が上がらない状態を弱視と呼ぶが、幼少期に強い遠視や乱視等がある場合、早期に治療を行わないと弱視になり、大人になって眼鏡をかけても十分な視力が得られないと言われている。現在、3歳児健診で遠視や乱視等を判定できる屈折検査を行っている区市町村は、検査機器が高額なことから約3割に留まっているが、国は、子供の弱視の早期発見に向けて、3歳児健診で屈折検査の導入を促す方針を決定し、検査機器購入費の半額を補助する制度を創設するとしている。そこで、本区も弱視の早期発見を行えるよう、3歳児健診に屈折検査を導入すべきではないか。

 屈折検査は、弱視の早期発見に有効であり、早期治療につなげることができると認識している。検査の導入にあたっては、健診にかかる時間の増加や、精密検査の実施体制等の課題もあることから、現在、他区の状況等について調査を行っている。今後、関係機関とも調整しながら、導入に向けて検討を進めていく。

その他の質問項目
1 高齢者のスマートフォン利用普及啓発事業について
2 EVステーションの設置について
3 母子手帳アプリの導入について
4 高校3年生までの医療費無償化について
5 入学資金融資あっせんについて


つなぐプロジェクト

本目さよ

人の喪に関するケアの推進について

 1 コロナ禍で大切な人の死に立ち会えなくなったことなどにより死との向き合い方に答えを見出せずにいる人が増えている。そこで、身近な人を亡くした方に寄り添い支援するグリーフ・ケアに関する取り組みを、区として推進すべきではないか。2 流産や死産等で周産期に子どもを喪失するペリネイタル・ロスは語られることが少なく、まだ十分に知られていない。当事者は我が子を失った辛さを周囲に相談できず孤独や悲しみから抜け出せないことも多い。そこで、自助グループの紹介や啓発運動の推進等、更なる周知啓発を行うべきではないか。また、職員向けの研修の強化等、当事者へのケアを更に充実すべきではないか。

 1 様々な悩みを抱える方に対して相談事業を実施し、大切な方を亡くされた方の支援を行ってきた。また、支援機関等の案内も丁寧に行っている。今後、グリーフ・ケアの取り組みや支援機関との連携の強化について、他自治体の動向を注視しながら研究していく。2 流産等を経験した方が産後ケアを利用できる体制を整備するとともに、ホームページ等でペリネイタル・ロスに関する周知を図っている。また、当事者団体の方を講師とした職員向けの研修も実施し、相談の際に辛さや悲しみが少しでも軽減されるよう努めている。今後も周知啓発や当事者の状況等に合わせた支援の充実を図っていく。

学校図書館について

 1 令和3年度の図書購入予算がゼロとなる中、子どもの読書環境の維持に尽力しているが、学校図書館がどうあるべきかの議論が不足していると考える。そこで、学校図書館の意義について伺う。2 令和4年度予算には図書費が含まれていると認識しているが、学校図書館が法の趣旨に基づいて機能するよう、蔵書の配分等の基準を策定し、それに沿って運用されているかを確認すべきではないか。

 1 児童生徒の読書活動等の場であるとともに、情報の収集能力等を育成する場でもある。また、教職員の教科指導にも対応するなど、重要な機能を有している。2 蔵書の購入や廃棄は教職員等が適切に行っている。廃棄以外の基準は、全国学校図書館協議会の学校図書館メディア基準等で示された視点も参考にするよう、引き続き各学校に指導していく。


日本共産党台東区議団

鈴木昇

学校教育・感染症対策について

 教育の継続は大変重要である。オミクロン株の感染リスクにより学校に通うことができない児童生徒がいる中、区は第6波となる感染拡大の時点で分散登校を実施せず、オンライン授業が選択できることも広く周知しなかった。1 なぜ第6波の早期のタイミングで分散登校等に踏み切れなかったのか。2 オンライン授業を受けた場合は出席扱いにすべきではないか。

 1 学校は、子どもの規則正しい生活習慣の維持や学習機会の保障、居場所等としての福祉的な役割を担っていることから、分散登校等は行わず感染予防対策を講じた上で対面授業を実施してきた。2 出席の扱いは、国の通知に基づき出席停止としているが、今後も国等の動向を注視しながら適切に判断していく。

谷中のまちづくりについて

 谷中は地区計画が施行されている地域であるが、高さ制限の適用範囲外の場所では、住居地域にも関わらず高い建物の建設が可能であり、現状の本計画等では景観を守れないことは明らかである。1 現在の本計画で、谷中の街並みが守られると考えているのか。2 今すぐに本計画の趣旨に合うよう、高さ制限の適用範囲を広げるべきではないか。

 1 従来からの景観事前協議に加え、本計画に基づき、地区整備計画区域での建築計画の届出を義務付け、必要な指導を行っている。今後は、策定予定の景観形成ガイドラインも併せて運用し、谷中地区の街並みを守っていく。2 本計画は、3年をかけて地域の声を丁寧に伺い、理解を得て策定したものであり、早期の変更は難しい。

その他の質問項目
新型コロナウイルス感染症について


都民ファーストの会台東区議団

村上浩一郎

SDGsの周知について

 区民の意識を高めるために、公用車のほか、清掃事業等の民間事業者と連携を図り、車体にSDGsのロゴマーク入りシール等を貼ることで周知を図ってはどうか。

 SDGsの目標とのつながりを実感できるよう各種計画の策定等の際にSDGsとの関連性を明記している。また、広報たいとう等にアイコン等を掲載しており、提案の趣旨も踏まえ、引き続き様々な媒体を用いて周知に取り組んでいく。

プラスチック新法の施行に伴う消費者や事業者に対する周知・啓発について

 新法はプラスチック製品の使用の合理化やリサイクルの仕組みづくり等を目指すもので、取り組みの義務付けがない小規模事業者や消費者である区民も一体となり取り組む必要がある。そこで、本取り組みを効果的なものとするために、新法の周知等を積極的に進めるべきではないか。

 区民には消費者向けのイベント等を通じて、新法についてわかりやすく伝えるとともに、事業者にはネットワークたいとう等で新法の趣旨等、事業者が取り組むメリットを周知していく。


台東区議会自由民主党

石川義弘

遊休施設の利用方法について

 特別養護老人ホーム三ノ輪・蔵前・千束の再編成や松が谷福祉会館の移転新築等に伴い、新たな高齢者施設や障害者施設等が整備されることにより、既存施設が遊休施設となる可能性がある。そこで、これらの施設を絶え間なく有効利用するため、区民のアイデンティティ育成において重要である歴史資料等の資料館や、本区のデジタル化推進のためのIT産業振興施設として利用するなど、区民の未来のための新たな利用方法を早めに検討すべきではないか。

 統廃合等に伴い本来の目的を終える予定の施設は、資産活用の視点から有効活用することが重要である。策定予定のファシリティマネジメントに関する基本方針に基づき、機能統合等の検討において、これまでの施設需要や新たな行政需要を見極めながら活用の方向性をまとめていく。

ガラス乾板について

 下町風俗資料館には、1930年代まで盛んに使用されていた写真の感光材料であるガラス乾板が、比較的良好な状態で多数保存されている。これらは、明治初期から戦前までの区内の様子が写されている可能性が高く、歴史的価値が高い資料であるが、長期間の保存でガラス同士が貼り付いてしまうなどの問題もある。そこで、資料館所蔵のガラス乾板の活用・保存について所見を伺う。

 資料館所蔵のガラス乾板は、かつての写真技法を伝え、本区の明治期から戦前にかけての街並み等を正確に写実する貴重な資料であるが、光や温度等の影響を受けやすいなど取扱いが難しいため、全ての内容を詳細には把握できていない。今後、資料館のリニューアルに向けて資料の保存環境等を検討・整備する中で、ガラス乾板の保存や写真の公開等についても、専門性を有する施設等との連携等、様々な角度から検討していく。

その他の質問項目
デジタル・トランスフォーメーションの推進について


たいとうフロンティア

田中宏篤

子育て世帯の住宅施策について

 コロナ禍での在宅勤務等の浸透により、23区では2021年に転出超過となり、特に子育て世代の地方転居への関心が高まっている。区の持続的な発展には、若年層の定住化促進が重要であるが、本区には様々な地域行事等があることから、地元愛が育まれやすく、子育て世代への居住支援は効果的である。現行の住宅マスタープランでは、子育て世帯への居住支援が重点施策に位置付けられ、子育てに適した住宅への改築の促進等、環境整備に力を入れているが、転出が増加している現在の状況では、マイホーム取得支援制度等、直接的な居住支援も必要である。そこで、コロナ禍により更に重要性が増した若年層や子育て世代の住宅施策について、所見を伺う。

 これまで、子育て世代がそれぞれのニーズに合った住宅に安心して住むことができるよう、様々な取り組みを通じて子育て世代への居住支援に努めてきた。今後は、人口・世帯の動向や区民ニーズの変化等を注視し、調査・分析を十分に行った上で、令和6年度に改定予定の住宅マスタープランに反映させ、子育て世代の多様化するニーズに対応していく。

区立小中学校の学級編制について

 学級編制は、法において、都の教育委員会が定めた一学級の人数の基準を標準として、学校を設置する地方公共団体の教育委員会が、各学校の児童生徒の実情を考慮して行うとしており、法や条例で定められた一学級の人数を基準としながらも、弾力的に学級編制を行えるようになっている。一方、本区では、教室数が切迫している学校や、教室が狭くて密が避けられないような学校が散見されるが、このような明らかに学級編制に配慮を有する場合であっても、人数基準を絶対的なものとして学級編制を行っているように感じる。そこで今後は、現在よりも更に各学校の状況を勘案した学級編制を行う必要があると考えるが、所見を伺う。

 各学校の状況を勘案した本区独自の学級編制については、都の基準を超える教員を本区が独自で任用する必要があることや、一部の学校で特別な対応をすることは、公平性が保たれないなどの課題がある。今後の学級編制については、35人学級の推移や他区の動向等、様々な状況を注視しながら研究していく。

その他の質問項目
オンライン授業の実施の基準について