区長所信表明 項目 1 はじめに 一般質問の概要 一般質問とは 区の仕事全般について、区長等に報告や説明を求めることです。 台東区議会自由民主党 和泉浩司 危機管理について 問 1 国は、5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類を2類相当から5類に引き下げる方針を決定した。しかし、感染症が終息したわけではないため、引き続き国や都の方針を踏まえ、中長期的な視点で感染症対策に取り組んでいく必要があると考える。そこで、コロナ禍から社会の正常化に向けて大きな節目を迎えるにあたり、今後どのように取り組んでいくのか。2 本区では、コロナ禍においても様々な企業等との災害協定の締結や、新しい形での避難所運営訓練を行っているが、この数年はコロナ禍で地域の防災訓練が出来なくなってしまったこともあり、区民の地震への関心が薄れているように感じる。そこで、関東大震災から100年の節目を迎える本年、全庁的な取り組みとして、区民の地震に対する防災意識を高める施策を実施してはどうか。3 金品を奪うだけでなく、生命の危険をも脅かす連続強盗事件が全国的に発生している。区では、青色回転灯付きパトロールカーによる見守り事業等の対策を講じているが、以前と比べて犯罪の質が変わってきていると感じており、これまでの対策で区民の生活の安全・安心が守られるのか憂慮している。そこで、今後も本区が安全・安心なまちであり続けるためには何が必要と考えるか、所見を伺う。 答 1 発熱受診相談センターの運営を継続し、相談への対応等を行う。感染者への対応等は、国の方針に基づき実施するとともに感染状況の把握に努め、拡大した場合には速やかに必要な措置を講じていく。また、高齢者施設等では、引き続き都と連携を図りながら、感染予防対策等を行っていく。2 節目の機会を捉え、震災に関する意識啓発を一層強化しなければならない。また、本区の震災復興の歴史を振り返り、今後の防災対策に活かす取り組みも必要である。そこで、総合的かつ効果的に事業を進めるため、関東大震災100年事業推進会議を立ち上げた。今後、様々な切り口で事業の具体化を進め、首都直下地震への備えを促進するための意識啓発等、積極的に事業を展開していく。3 犯罪の起きにくいまちづくりの推進には、区民が主体となり活動することが何よりも重要である。これまで団体へのパトロール用品の提供等、自主的な活動への支援等に取り組んできた。区民の生命財産を守るため、今後も自主防犯意識の醸成を図るとともに、防犯活動への参加機運を高め、安全で安心なまちの実現に邁進していく。 産業振興について 問 区内の中小企業は、物価上昇やコロナ禍の影響を大きく受けており、人材確保や決済方法の多様化、インボイス制度への対応など様々な課題を抱えている。これらの課題に対しては、まずは迅速に対策を行うことが重要であり、借換え融資の継続等の対応に努めていることは評価しているが、それと並行して区内の中小企業が抱える課題を正確に把握するための調査も必要である。その上で、区の産業を支えるための計画を策定し施策に取り組んでいくべきと考えるが、産業振興施策の進め方について所見を伺う。 答 コロナ関連融資の新設や延長、キャッシュレス決済の普及啓発等を行っている。また、こども商品券の配付による地域経済の活性化等、柔軟かつスピード感をもって取り組んでいる。今後は更に、中長期的な課題である海外展開支援や、区内産業を活性化する起業家の創出等に取り組んでいかなければならない。そのためには、区内中小企業の実態や抱えている課題を正確に把握し計画的に取り組んでいく必要がある。引き続き事業者に寄り添い、その声をしっかりと伺うとともに、区内産業の実態調査を進めながら、産業振興の新たな指針となる計画の策定について検討していく。 その他の質問項目 たいとうフロンティア 河井一晃 障害児通所支援の今後の取り組みについて 問 障害児通所支援事業者は、昨今の急激な物価高騰等による影響を利用者へ価格転嫁することが難しいため、事業者の経営や新規開設は厳しい状況にある。今後も障害児通所支援に対する施設需要が拡大していくと予想される中、適切な人員配置とともに、賃金の引き上げを行うなど、労働環境の整備が必要である。そこで、サービスが安定的かつ継続的に提供されるよう、事業者の経営状況を調査し、必要な支援を行うべきではないか。 答 医療的ケア児等を対象とする事業所の開設が進まなかったため、令和2年度に助成制度を拡充したことにより、今年度、区内初の事業所の開設があり、併せて運営費も支援している。助成制度の更なる拡充は、引き続き事業者の経営状況の把握に努めるとともに、他自治体の動向等も注視しながら検討していく。 共助による地域防災力の強化について 問 大規模災害発生時、行政が全ての被災者を迅速に支援することは困難であるため、地域における共助が不可欠である。共助の取り組みを進める際は、町会主体の防災組織だけではなく、マンション管理組合等の参画により、地域での新たなつながりが期待できると考える。そこで、公助の限界を伝え、地域コミュニティによる共助の仕組みを構築すべきではないか。 答 これまで防災指導者講習会の開催等、防災リーダー育成に努めるとともに、避難所運営委員会と一体となり地域防災力の向上に取り組んできた。今後、共助の取り組みの更なる強化を図るため、マンション管理組合等に対し、地域の防災組織への参画を働きかけ、災害時に連携できる仕組みづくりを検討していく。 台東区議会公明党 松尾伸子 (仮称)北上野二丁目福祉施設について 問 核家族化の進行や地域とのつながりの希薄化等により、子育てに対する区民の不安や負担が増大しており、子育て家庭が孤立しないよう、健康を保持し安心して子育てに専念する環境整備や、乳幼児の健全な発達・育成に対する支援が必要である。また、児童虐待や発達障害等の配慮を要する子供・若者やその家庭への支援も必要であり、相談者に寄り添う伴走型の支援体制を構築すべきと考える。区では、現在、妊産婦や子供・若者まで一人ひとりに応じた支援を推進するため、(仮称)北上野二丁目福祉施設の整備について検討を進めているが、設置にあたっては、区民にとって分かりやすいワンストップの総合相談窓口を備えるなど、関係機関との更なる連携強化が必要と考える。そこで、本施設の設置に向けた決意を伺う。 答 本施設において、障害者支援の中核的施設である松が谷福祉会館の機能をより一層充実したものとするため、デイサービス等、障害者の地域生活を支える場を拡充する。また、新たに児童発達支援センターを設置する。更に、妊産婦、子供・若者及びその家族からの様々な相談に対応し、迅速かつ適切な支援の提供とともに、気軽に立ち寄れる施設として多様な交流の創出等、全ての子育て世帯及び子供・若者を支援する。本施設の整備を進め、あらゆる世代が生涯にわたって成長し、いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現に向けて、全力で取り組んでいく。 帯状疱疹ワクチン接種の推進について 問 帯状疱疹は水疱が帯状に広がり、発熱等の症状や神経痛を伴う合併症を引き起こすことがあるが、発症予防にはワクチン接種が有効である。現在、接種費用の助成を開始する自治体が広がっているが、区民の健康の保持等を図るため、本区も接種を推進すべきではないか。 答 接種費用が高額なため費用助成に関する要望があり、一部自治体で既に助成が行われていることは認識している。令和5年度からは、都が助成を行う自治体を対象とした補助制度を創設予定であると聞いている。これらの状況を踏まえ、助成の実施に向けて検討していく。 その他の質問項目 つなぐプロジェクト 青鹿公男 まちの美化について 問 本区では、清掃活動を行う団体等を大江戸清掃隊として認定し、活動を支援しているが、まちの美化の向上は観光都市である本区のイメージアップにつながるため、より多くの方に大江戸清掃隊等の清掃活動に参加してもらうことが重要である。そこで、観光客が回復しているこの時期に、美化活動について積極的に情報発信してはどうか。 答 美化活動の情報発信は、興味を持っている方等が活動を始めるきっかけになると考える。今後も美化活動の積極的な情報発信等を行い、まちの美化を推進することで本区の魅力の向上に取り組んでいく。 こどもクラブにおける弁当宅配サービスの導入について 問 こどもクラブでは、給食のない学校休業日には弁当を持参する必要があるが、夏休みは長期にわたり弁当を用意しなくてはならないため、仕事等で時間に余裕がない保護者の中には夏休み期間の弁当作りを負担に感じている方も多い。そこで、保護者の負担を減らすため、保護者がインターネットで弁当を注文し、指定日にこどもクラブへ配達される弁当宅配サービスを導入すべきではないか。 答 こどもクラブの運営事業者と連携して本サービスの導入を検討しており、今年の夏季休業日に希望する保護者が利用できるよう、準備を進めていく。 その他の質問項目 日本共産党台東区議団 鈴木昇 大軍拡・大増税について 問 国は昨年、防衛費の増額等を盛り込んだ安保関連3文書の改定を閣議決定し、大軍拡に踏み出した。1 大軍拡に伴う増税と社会保障の切り下げは、区民の暮らしや福祉を破壊すると考えるが、所見を伺う。2 国の大軍拡・大増税の方針について、どのように考えているか。反対の意思表示を行うべきではないか。 答 1 国は防衛力強化に係る財源として所得税等の引き上げに向けた検討を進めており、少なからず区民生活等へ影響を及ぼすものと認識している。2 国の安全保障については、様々な情勢を踏まえて、国会で議論されているので、その推移を注意深く見守っていく。反対の意思を表明するつもりはない。 区立小中学校給食費の恒久的無償化について 問 区では、本年より緊急経済対策として学校給食の食材調達の全面支援を行っているが、景気動向により今後見直される可能性もある。憲法で義務教育は無償と定めており、学校給食は教育の一環であるため、区立小中学校の給食費を恒久的に無償化すべきではないか。 答 根拠法令等に関して様々な議論があり、財政面も含め課題がある。現時点で恒久的な無償化は考えていないが、今後も物価高騰や地域経済の状況等を総合的に検証し、支援の必要性を適切に判断していく。 その他の質問項目 都民ファーストの会台東区議団 村上浩一郎 中小企業に対するSDGs推進について 問 事業者等からSDGsの達成に向けた取り組みを募集し、応募者にSDGsのロゴ入りシールを配付するなど、一層の普及啓発を図ってはどうか。 答 新市場開拓等への助成事業でSDGsに資する優れた事業計画に対し、助成限度額を加算している。今後は取組事例をホームページで紹介するなど、より効果的な普及啓発に努めていく。 鉄道駅のバリアフリー化について 問 本区では全ての駅で1系統のバリアフリールートが整備されているが、高齢者等が安全・快適に利用するには不十分と考える。各駅に複数のルートを整備すべきではないか。 答 バリアフリー基本構想で各駅での整備を目標に掲げている。施設の構造上の課題もあるが、実現に向け、今後も協議会等を通じ事業者へ積極的に働きかけていく。 いぶきの会 田中宏篤 シェアサイクル事業の今後の方向性について 問 シェアサイクル事業は、国や都の自転車活用推進計画の中で普及促進が謳われるなど、この4年間で大きく前進した。普及促進の加速化にあたり、本区の担うべき役割も更に大きくなっていくと考えるが、現時点での今後の方向性を伺う。 答 事業効果を一層高めていくには、更なるネットワークの整備が必要であるため、新たな民間事業者を参入させ、相乗効果を図った上で実証実験を継続していきたい。 未来台東 山口銀次郎 スポーツ実施率向上について 問 区民が運動習慣を身に付けることは重要である。スポーツジムに継続して通う方への助成制度創設等により、スポーツ振興基本計画の成人の週1回以上のスポーツ実施率70%の目標達成を目指してはどうか。 答 他のスポーツを行う区民との公平性に課題があり難しい。様々なスポーツ振興の取り組みを通じて実施率向上に取り組んでいく。 たいとうフロンティア 青柳雅之 トルコシリア地震と防災対策 問 1 トルコシリア地震では既存不適格建築物が多い地域で倒壊による被害が広がったことから、本区でも耐震基準に満たない建築物をゼロにしていく取り組みが重要と考える。そこで、個別のアプローチを中心とした周知や助成制度の充実により、耐震化を促進すべきではないか。2 区では災害時におけるシニアシングル女性のためのリーフレットを作成しているが、他にも高齢者のみの世帯等、個別の状況に応じた災害への備えが必要な区民は多いと考える。そこで、それぞれの視点や特徴に合わせた備蓄品を分かりやすく例示するなどの周知啓発を進めていくべきではないか。 答 1 耐震診断や補強工事助成のほか、改修に対しても様々な支援を展開している。これらの事業について、ホームページ等の活用や防災イベントなど直接の働きかけを通じ、周知を徹底することで耐震化の促進を図っていく。2 発災時に世帯の構成等に応じた対応が必要な区民に対しては更なる啓発が必要である。防災出前講座等の機会を捉えて、世帯の特性に合わせた備蓄品や災害時の留意点を具体的に示すなど、意識啓発の強化に努めていく。 帯状疱疹ワクチンの接種費用助成 問 多くの区民が帯状疱疹ワクチン接種費用の助成制度創設を要望しており、都も助成を行う自治体への補助事業を新たに新年度予算で計上したが、本区では本事業が予算計上されていない。4月から実施予定の区もあることから、本区も4月から実施すべきではないか。 答 区民の要望があることや、一部の自治体で既に助成が行われていることは認識している。都等の動向も踏まえ、実施について検討していく。 その他の質問項目 いぶきの会 松村智成 外国資本の土地取引を規制する条例の制定と不動産取得状況の把握について 問 外国資本の土地等の取得により、近隣住民は不安を抱いている。1 外国資本の土地取引を規制する区独自の条例を制定すべきだが、法的に可能か。2 外国資本の不動産取得状況を把握し、多文化共生などの施策等に反映すべきではないか。 答 1 法律上、外国資本の土地取引は制限されていないため不可能と考える。2 情報を収集する考えはないが、多文化共生推進プランに示した施策を着実に推進していく。 |