区長所信表明(項目)

1 はじめに
2 「こどもまんなか社会」の実現について
3 北部地域のまちづくりについて
4 令和8年度予算案について
 ■ あらゆる世代が生涯にわたって成長し輝くまちの実現
 ■ いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現
 ■ 活力にあふれ多彩な魅力が輝くまちの実現
 ■ 誰もが誇りや憧れを抱く安全安心で快適なまちの実現
 ■ 多様な主体と連携した区政運営の推進
5 おわりに


代表質問の概要

代表質問とは 各会派の代表者が区長提出議案や区長の政治姿勢などに対し、質問を行うことです。


台東区議会自由民主党

石塚猛

財政について

Q 1 令和8年度一般会計予算案は1,532億円で、対前年度比226億円の増となった。主な取り組みとして142事業、約254億円が計上され、区が抱える喫緊の課題に対して積極的に取り組む姿勢が見て取れる。予算規模が大きくなることは、区民サービスが充実する側面がある一方、財政を圧迫するリスクもはらんでいる。8年度予算について、区はどのような考えで編成したのか、また、予算規模が大きくなった要因について伺う。2 資材高騰や人出不足等を理由とした建設工事の入札不調が相次いで報告されている。事業の遅延を防ぐため予算を追加すれば財政的なゆとりはなくなり、突発的な災害等に対し、機動的に対応する力が弱まることが懸念される。現在の財政状況をどのように評価しているのか。3 8年度与党税制改正大綱によると、地方法人課税に対する追加措置に加え、都が課税する特別区の土地に係る固定資産税について、必要な措置を検討するとされている。このような税制改正が、区財政にどのような影響を及ぼすと想定しているのか。4 (仮称)北上野二丁目福祉施設の整備や区有施設の長寿命化・大規模改修等、区が直面する行政需要は多額かつ多岐にわたる。一方で歳入は、物価高による個人消費の冷え込み等も懸念される。このような不透明な経済状況において、どのように持続可能な財政運営を維持していくのか。

A 1 「ひと」と「まち」が輝く明るい未来に向け、さらに前進を実感できるよう予算編成に臨んだ。こどもまんなか社会の実現を目指し、(仮称)北上野二丁目福祉施設の新築工事に着手するほか、本人に寄り添った終活支援の実施、携帯トイレの全戸配布などの災害対策の充実等、様々な行政需要に積極的に対応している。これらの取り組みに加え、物価上昇の影響等により予算規模は過去最高額となったが、基金や起債など、これまで培ってきた財政の対応力を活かし、将来を見据えながら編成した。2 区財政を取り巻く状況は急速に変化し、これまで以上に先を見通すことが難しい状況にあるが、様々な行政需要を見据え、税収の増収分などを着実に基金に積み立てることで、現時点では必要な財政力は維持できている。当面は歳入の増を大きく上回る歳出の増が継続すると見込んでおり、今後、区財政は厳しい状況に置かれる可能性があると認識している。3 固定資産税は特別区交付金の原資であるため、内容によっては大きく減収となる可能性があり、区民サービスに影響が生じかねないと強く懸念している。4 必要な区民サービスを維持するとともに、社会経済状況などを適切に見極め、必要な取り組みを積極的かつ着実に進めていく必要がある。そのためには行財政基盤を維持していくことが重要であり、DXの推進による事務事業の効率化をより一層進めるほか、基金や起債を将来負担に留意しつつ有効活用するとともに、一定の基金残高を確保していく。


台東区議会公明党

中澤史夫

誰もが安心できる平和について

Q 戦争のない平和な世界は誰もが望むものであり、平和への思いを揺るがすことは決してあってはならないと考える。そこで、「恒久平和を希求する都市 台東区」の実現に向けて、誰もが安心できる平和について、所見を伺う。

A 世界の恒久平和は人類共通の願いであり、これまで、平和に関するパネル展の実施や平和史跡マップの作成、中学生の広島・長崎派遣事業等、平和に関する取り組みを推進してきた。昨年は東京大空襲から80年を迎え、平和のつどいを開催し、派遣事業に参加した中学生によるトークセッションを実施するなど新たな取り組みも行い、意識醸成に取り組んできた。平和を大切にする意識を育み、戦争のない平和な社会を次世代に引き継ぐことは私たち一人ひとりに課せられた責務であり、恒久平和に向けて今後も努めていく。

子どもの幸せを最優先する社会の実現について

Q 区は、本年4月にこども家庭部を設置し、「こどもまんなか社会」の実現に向けて取り組むとしているが、その実現には、全ての子供が一人の人間として尊重され、自立した個人として健やかに成長し幸せに暮らせるよう、将来を支える子供や若者を社会全体で支える必要がある。そこで、全ての子供の権利を保障し、子供の視点に立って政策を作り、総合的かつ計画的に子供政策を進めるべきではないか。

A 子供を取り巻く環境は大きく変化しており、子供の幸せを最優先する社会の実現は最も重要な取り組みのひとつである。そのため、こどもの権利条例を制定し、子供が権利の主体であることを明確にするとともに、子供に関する基本的施策を計画的に推進することで、子供の健やかな育ちにつなげていく。次世代育成支援計画を着実に推進し、こども家庭部を中心に、教育委員会と連携を図りながら、引き続き、全庁一丸となって「こどもまんなか社会」の実現に向け取り組んでいく。

「自然災害から区民の命と暮らしを守り抜く」防災・減災対策の取組みについて

Q 本区を災害に強い先進都市とするためには、災害対策に係る体制強化等が必要であるが、中でも風水害対策については、気象防災アドバイザーの活用やマイタイムラインの周知、水害に対する防災意識の向上、広域避難先の確保等が重要である。甚大な災害が起こる危険性がある中、令和8年度に策定予定の(仮称)大規模水害広域避難計画について、どのような考え方で策定を進めるのか。

A 気候変動により水害が激甚化しており、大規模な台風により荒川が氾濫した際には、甚大な被害が想定されている。広域避難を呼びかけるにあたっては、いち早く避難に関する情報を発表していくことや、都や近隣自治体を含む多くの関係機関と情報共有を行い、足並みをそろえて対応を図っていくことが重要である。あわせて、区民の円滑かつ安全な避難のためには、平時から、適切な避難行動に関する普及・啓発活動が不可欠であると考えている。今後、こうした考えのもと、関係機関と協力し適切な役割分担を定め、実効性のある計画の策定を進めていく。


つなぐプロジェクト(無所属・都ファ・国民)

早川太郎

今後の行財政運営について

Q 令和8年度一般会計予算額は、1,532億円となり5年前と比べ1.5倍の規模となっている。新規・充実した事業も多くあるが、物価高騰や賃金上昇による事業・建築コストの増額等、歳出予算は増大している。一方、歳入予算は特別区税等の増額では賄えず、基金の活用額が増加している。今後、国では地方法人課税に対する追加措置等、更なる偏在是正の検討が進められており、近い将来、基金残高が枯渇するのではないかと危惧している。1 本区の財政状況をどのように認識しているか。2 財政状況が一段と厳しくなることが明白になった中、今後の行政運営について、所見を伺う。

A 1 8年度予算は、様々な行政需要に対応するとともに、区有施設の整備等を着実に進めるため、公共施設建設基金等を積極的に活用した。一方、歳入では、更なる税源偏在是正措置が検討されており、9年度以降、本区の歳入が大きく減収となることを懸念している。そのため、区財政は、現時点では一定の財政力を維持しているが、今後数年間で、大きく基金残高が減少するとともに、区債残高が急増するなど、厳しい状況に置かれる可能性があると認識している。2 持続可能な行財政基盤を維持していくためDXの更なる推進や民間との連携強化等の視点も踏まえ、新たな行政計画を7年度末に策定し、計画事業を推し進めていく。また、8年度は、事務事業について、必要性等の視点で再度検証し、一層の見直しを進めるとともに、施設保全経費の更なる平準化も検討していく。

学校教育について

Q 現行の学習指導要領は子供たちの未来を生き抜く力を育むために、自ら課題を見つけ仲間と協働しながら解決策を探すことで、未来を創る力を身に着けていく内容となっている。学習指導要領は約10年ごとに改訂されており、国において次期改訂に向けた動きがある。次期学習指導要領が、現行の基本的な方向性を引き継ぎながら、「より分かりやすく、使いやすく、実践しやすくすること」を目的とするならば、現行内容の確実な実施が前提となる。次期学習指導要領が全面実施されるまでの間が重要な期間となると考えるが、今後、本区の学校教育をどのように進めていくのか。

A 区は、各校における「主体的・対話的で深い学びを重視した授業改善」等に継続的に取り組んできたが、今後はこうした実践をより確かなものにする必要がある。目指す教育は、台東区という地域に根ざした伝統と、新しい時代を切り拓く学びの革新とを調和的に結びつけていくものだと考える。今後も本区が重視する「ひとを育てる」という理念に基づき、まち全体を学びの場と捉えた環境づくりを推進することで、多様な学びの機会を広げていく。また、学校の教育力は、教員の資質・能力に大きく支えられているため、指導力や専門性の向上を図るとともに、働き方改革により、本来の力を最大限に発揮できる環境の整備に努めていく。


台東むすびの会(維新・参政・無所属)

富永龍司

区民参加の在り方とデジタル技術の活用について

Q 区民ニーズの多様化や地域コミュニティ構造の変化に伴い、区民の意見を的確に把握し、それらを政策形成に反映していく重要性が高まっているが、多様な属性の意見を十分かつ継続的に把握できているかという点については検討の余地がある。また、意見がどのように政策に反映されたのかが区民から見えにくいという課題もある。そこで、デジタル技術を活用して区民が課題を提起し、他の区民と意見を重ねながら熟議を行う区民参加プラットフォームを導入・検討することについて、所見を伺う。

A 区政運営の透明性の向上や協働促進を目的に、区長への手紙や各種ワークショップ等を実施し、区政全般に区民の声を反映している。区民参加プラットフォームは、区民ニーズの更なる把握等に資する一方、導入にはシステム構築等の課題がある。他自治体の事例も参考に、まずは、区民参加プラットフォームとの親和性が高いまちづくり分野での導入について検討を進めていく。

デジタル地域通貨の活用について

Q 近年、全国の自治体でデジタル地域通貨やポイント制度の導入が進められている。これらは単なる給付や消費促進にとどまらず、住民の行動と地域内循環を結び付けようとする点が共通している。本区においても、町会活動等への参加や地域経済活性化、健康促進等、複数の政策目的を横断的に連携させる基盤として、デジタル地域通貨の活用可能性について検討を進める考えはあるのか。

A 区では、昨年10月に健康づくり活動を行う区民に対しポイントを付与する健康管理アプリを導入しており、今後は都が実施する東京アプリとの連携も検討している。区独自のデジタル地域通貨の活用にあたり、都や他自治体の事例を収集し、構築・運営に係るコストや利用店舗の普及・拡大、デジタル・ディバイド対策等、様々な課題について検討していく。

公共工事の入札について

Q 近年、建設関連工事の入札において、人手不足や物価高騰等により、入札参加者が集まらない不調や、価格が折り合わない不落等の事例が見受けられる。公共工事は区民の安全・安心を支える基盤整備そのものであり、その円滑な執行は区政運営の信頼性に直結する。入札の不調・不落、契約変更が頻繁に生じる状況が続けば、事業の遅延やコスト増を招き、区民サービスにも影響を及ぼしかねない。そこで、本区における公共工事の入札の現状認識と今後の対応について、所見を伺う。

A 公共工事の受注環境は、資機材価格・労務単価の上昇等の影響により極めて厳しい状況にある。入札の不調・不落の増加は、区民生活に影響を及ぼすため、その対策は喫緊の課題であると認識している。そこで、区では労働力確保の観点から、施工時期の平準化等を図るほか、市場における実勢価格の把握等にも努めており、こうした取り組みは一定の成果を上げている。今後は、他自治体の動向も参考に更なる検討を進め、区民の生活基盤の整備を着実に遂行していく。