令和元年第2回区議会定例会
区長所信表明(要旨)


はじめに

 私はこれまでの4年の間、本区が区民の皆様にとって誇りと愛着を持てるまちとなるよう、全力で区政運営に邁進いたしました。
 これからの4年間は、区の将来像である「世界に輝く ひと まち たいとう」の実現に向け、家庭や地域社会の絆を大切にし、地域の力を高めていくことが、私の最も重要な責務であると考えております。
 本区の人口は42年ぶりに20万人を超えましたが、当時と比べ人口構造の変化が顕著になっています。また、自然災害への備えや公共施設の老朽化対策など、これまでの取り組みの更なる推進が求められています。
 本区が将来にわたって、魅力があふれ活力に満ちた都市であり続けられるよう、課題の解決に向け取り組むとともに、区民サービスの一層の向上に努めてまいります。

 


今後の区政運営について

一 あらゆる世代が生涯にわたって成長し輝くまちの実現
 子供や若者を取り巻く環境は大きく変化しており、抱える困難も多岐にわたっている中、区では松が谷福祉会館の再整備に合わせ、子供・若者とその家族を包括的に支援する体制を整備します。
 大きな社会問題となっている児童虐待が起こる背景には様々(さまざま)な要因があり、その内容も深刻化・複雑化していることから、東京都などと一層連携し、虐待の未然防止や、早期発見・早期対応に向けて取り組みます。
 また、喫緊の課題である待機児童対策については、引き続き認可保育所の誘致に取り組むなど、保育サービスの拡充に努めます。
 さらに、新たな教育大綱のもと、教育委員会と連携し、世界に輝く台東区を築く人材を育むとともに、平和で、多様な人々が活躍できる魅力あるまちを目指します。

二 いつまでも健やかに自分らしく暮らせるまちの実現
 誰もが互いの個性を尊重し合いながら、住み慣れた地域で暮らし続けられるまちの実現に向け、疾病などの予防や早期発見に重点を置いた施策を展開するとともに、区民の自主的な健康づくりを支援し、健康寿命の延伸を図ります。
 また、高齢者などの生活を地域で支えるために、地域包括ケアシステムの更なる強化に取り組みます。
 さらに、障害者の自立と社会参加を支援し、住み慣れた地域での生活を支えるための取り組みを促進します。

三 活力にあふれ多彩な魅力が輝くまちの実現
 経済のグローバル化の進展や深刻化する人手不足など、区内中小企業を取り巻く環境は大きく変化しているため、地域産業の一層の活性化に向けた取り組みを進めます。
 また、多彩な観光資源を有する本区には、国内外から多くの観光客が訪れる一方、様々(さまざま)な課題も顕在化していることから、住む人も訪れる人も快適に過ごせる環境を整備します。
 人々を魅了する名所旧跡や、受け継がれてきた伝統行事などの多彩な文化資源を活用して、区の魅力を国内外に発信し、地域の活性化につなげる施策を展開します。

四 誰もが誇りや憧れを抱く安全安心で快適なまちの実現
 災害から区民の生命と財産を守るために、区民や地域が自立的に行動するコミュニティ防災の構築を支援するとともに、区民一人ひとりの自助・共助の意識を醸成します。同時に、市街地の総合的な防災性の向上に取り組みます。
 また、新たに策定した「都市計画マスタープラン」を踏まえ、地域の特色を活かしたまちづくり施策を展開し、区全体の魅力を一層高めます。
 さらに、本区の寺社などに残る自然資源の保全を図るとともに、快適で潤いのある都市空間の創出を促進します。

五 多様な主体と連携した区政運営の推進
 区民の生活様式や価値観は多様化し、行政は様々(さまざま)な役割が求められていることから、地域の皆様とのより緊密な対話を通して、地域課題の解決に向け努めます。
 また、外国人と日本人が互いに尊重し合い、ともに活躍できる地域社会の実現に向けた取り組みを推進します。
 さらに、国内外の姉妹・友好都市などとの幅広い交流を通して、地域の活性化と相互の発展を図るとともに、効果的・効率的な行財政運営を推し進め、本区が将来にわたって平和で活力ある都市であり続けられるよう、区政に全力を傾注してまいります

 


補正予算について

一 「子育て・教育・生涯学習」について
 育児に対する不安感や負担感の大きい時期の保護者に対し、同じ悩みを持つ方々と交流する機会を提供する「おやこサポート・ネットワーク」や、令和2年度から放課後子供教室を新たに4校で実施するための「放課後子供教室実施準備」、シッティングバレーボールの国際大会の開催を契機に、障害者スポーツへの関心を高めるとともに、東京2020大会への機運を醸成する「障害者スポーツ普及促進」などの経費を計上しています。

二 「健康・福祉」について
 高齢者などが安心して在宅での療養生活を送ることができる環境を整備するための「在宅療養連携支援」や、糖尿病の重症化予防のための「特定健康診査・特定保健指導」、障害者の自立した生活の実現に向け、福祉作業所などを支援する「福祉作業所等工賃向上支援」のほか、介護人材の確保・育成・定着を図る「介護サービス人材確保」などの経費を計上しています。

三 「文化・産業・観光」について
 滋賀県長浜市と本区との相互の芸術文化の振興を図る「長浜市との文化交流」や、江戸創業事業所をめぐり、区内産業の更なる成長・発展につなげる「江戸創業事業所顕彰」、消費税率引き上げの負担感を緩和し、地域における消費活動の促進を図る「プレミアム付商品券発行」のほか、新たな観光推進組織の設立について検討を進める「観光振興計画の推進」などの経費を計上しています。

四 「まちづくり・防災防犯・環境」について
 「都市計画マスタープラン」の将来像の実現に向けた検討を行う「良好な市街地形成の推進」や、災害発生時に自ら避難することが困難な方への支援を促進する「避難行動要支援者対策の推進」、東京2020大会を控え、観光客などへのおもてなし環境を整備するための「微細ミストの整備」などの経費を計上しています。

五 「行政運営」について
 区の業務について、RPA(ロボットによる業務自動化)などの本格導入に向けた検討を推進する「RPAの導入推進」や、区民が快適に安心して利用できるよう、施設の改築に向けた設計を行う「入谷地区センター改築」などの経費を計上しています。

 


おわりに

 私は、江戸文化の中心地であった本区の地域資源を活用した「江戸ルネサンス事業」を引き続き推進し、江戸時代から受け継がれている本区のアイデンティティーを着実に後世に継承していくとともに、国内外に広く発信します。
 また、「ラグビーワールドカップ2019」の開催に合わせ、大会を盛り上げるとともに区民のスポーツへの関心を高めるために、パブリックビューイングを実施いたします。さらに、来年の東京2020大会や、2021年のワールドマスターズゲームズなど世界規模のスポーツの大会が、相次いで日本で開催されます。
 世界中が日本に注目するこの絶好の機会を捉え、区民の皆様とともに世界中から訪れるお客様をお迎えし、本区の多彩な魅力の発信と地域の活性化を一層推進してまいります。

 


区長所信表明全文は、区ホームページからご覧になれます。