世界遺産登録10周年
国立西洋美術館~世界遺産としての価値~

ル・コルビュジエの建築思想を体現したかけがえのない世界文化遺産

国立西洋美術館が建築家ル・コルビュジエが設計した建築作品の一つとして、世界文化遺産に登録されてから2026年7月17日で10周年を迎えます

写真:Le Corbusier à New York, 1947©Fondation Le Corbusier ル・コルビュジエ(1887-1965)

世界遺産としての価値

 世界遺産として登録されるには「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value/OUV)」をもつことが必須です。つまり、「人類全体にとって、現代及び将来世代も共通して重要と認める傑出した価値」があることが求められます。
国立西洋美術館を含む建築作品は近代建築の理念を体現しており、世界中の建築に影響を与えた点、ル・コルビュジエの建築思想を国境を越えて共有している点が評価されました。

●ル・コルビュジエ(本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ)はパリを拠点に世界中で活躍した建築家・都市計画家です。
●近代建築の5つの要点をはじめとする建築に対する新しい考え方や価値観を世界中に広め、20世紀の建築や都市計画に大きな影響を与えました。
●世界各地に約70ある建築作品のうち、7カ国に所在する17資産が世界文化遺産に登録されています。
※ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面(ファサード)


地域に開かれた世界遺産

 構成資産には、個人邸宅から宗教建築、行政庁舎などさまざまな建築作品が含まれています。国立西洋美術館は、JR上野駅公園口出口から徒歩1分という好立地にあり、地域に開かれた世界遺産であることが特徴です。


~国立西洋美術館概要~

 国立西洋美術館は、東京・上野にある広く西洋美術全般を対象とする唯一の国立美術館です。中世から20世紀にかけての西洋美術を幅広く鑑賞できるほか、建物そのものも見どころとなっています。            地図:国立西洋美術館周辺

History 国立西洋美術館の誕生と世界遺産への登録

1910
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1944
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1951~53
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1959
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2007
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2016 2026

1910年代半ば~
20年代半ば
松方コレクション形成

川崎造船所社長であった松方幸次郎によってヨーロッパ各地で絵画・彫刻などの美術品が収集されます。これらは「松方コレクション」と呼ばれています。

松方幸次郎
写真提供:
川崎重工業株式会社

第二次世界大戦末期
フランス政府に
作品群が接収される

大戦末期、フランスに残された作品群が敵国人財産としてフランス政府に接収される。

1959年
本館開館時の様子
撮影:
東京フォトアート/

写真提供:
国立西洋美術館

返還交渉ののち
寄贈返還へ

サンフランシスコ平和条約により「松方コレクション」はフランス政府の国有財産となる。日仏両政府間交渉の末、一部を残してフランス政府より日本へ寄贈返還された。

国立西洋美術館
開館

ル・コルビュジエは1955年に日本を訪問し、上野公園内の建設予定地を調査しました。
ル・コルビュジエがつくった設計図をもとに、彼の弟子である前川國男、坂倉準三、吉阪隆正の3人が協力して美術館の建設を進めました。1959年3月に美術館は完成し、同年6月10日に開館しました。

登録推進の
開始

2007年にフランス政府より日本政府にル・コルビュジエの作品を世界遺産に共同推薦する依頼があって以降、台東区は関係省庁や地域の方々と連携して世界遺産登録推進活動を行いました。

世界文化遺産登録
登録日:2016年7月17日

「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の構成資産の1つとして、国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されました。
世界遺産への登録はゴールではなく、その価値を未来へと受け継いでいくスタートです。
美術館が評価された背景や意義を正しく理解し、それを次の世代に伝えていくことが、これからの大切な役割となります。

世界遺産登録までの道のり

2007年、フランス政府から日本政府に対しル・コルビュジエの建築作品を世界遺産へ共同推薦する依頼があったことをきっかけに、国立西洋美術館の世界遺産登録に向けた取り組みが始まりました。
推進活動は、区や区議会、地元アメ横を中心とした商店街などで構成する3つの推進団体を中心に展開され、イベントやパレードへの参加、フラッグや横断幕の掲出など、まち全体で機運醸成に取り組みました。