美術分野における台東区長賞について

台東区では、昭和56年度より若手芸術家の育成支援を目的として東京藝術大学の日本画、油画・版画の卒業作品の中から優秀な作品制作者に台東区長賞を授与しています。
40年以上に渡り収蔵したこれらの作品は、区の貴重なコレクションとなっています。

【作品に対するコメント】

私の絵は人に言うほどでもない些細な感情の機微で出来ています。そういったものは抽象画で描かれることもありますが、まず具象を描く中でリアリティではない魅力をどう引き出すかというのが学部の4年間を通して大きなテーマとしてありました。絵としての良さは必ずしも現実にあるものを鮮明に写しとるだけではなく、鑑賞する際に心地の良い形状や表現の事だと思っていて、そう言ったものに重きを置いて制作しました。

【作品に対するコメント】
1年間牡蠣の貝殻を常に手のひらに乗せて、それを見ながら作品を制作してきました。牡蠣はどこに、どのように、どうしていたのか、複雑な要素が絡み合って複雑な表面の情報を作り上げています。その複雑な表情を様々な素材で表現し、小さな世界の中にある大きな時間を拾おうと制作しました。また、岩にくっついて大きくなる牡蠣と同じように作品も広がったり削れたりしながら出来上がっていくように制作しました。

台東区長賞受賞作品は、台東区役所1階の台東アートギャラリーに展示します。
※令和4年度台東区長賞受賞作品は令和6年1月11日（木曜日）から3月12日（火曜日）までの展示を予定しています。
※台東アートギャラリーは、定期的に展示作品の入れ替えを行なっており、展示中の作品をこちらでご案内しています。

台東区長賞受賞作品は、台東アートギャラリーのほか台東区ヴァーチャル美術館でいつでもご覧いただけます。
（台東区ヴァーチャル美術館はこちらから）
※台東区ヴァーチャル美術館は、台東区長賞受賞作品のほか、台東区長賞奨励賞受賞作品や法隆寺金堂・敦煌莫高窟の壁画模写作品、台東区立書道博物館所蔵作品などをご紹介しているサイトです。