浅草寺歳の市(羽子板市)
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更新日:2026年4月1日
東京歳之市羽子板商組合
令和8年登載
浅草寺歳の市は、江戸時代から浅草寺境内とその周辺で続いてきた歳末の市です。江戸・東京における代表的な歳の市であり、歳末における観音の縁日である12月18日(納めの観音)前後に開かれてきました。
浅草の市に関する古い文献としては、天正17年(1589)9月の北条家禁制写があり、「浅草町」において、3月18日、6月15日、12月18日に市が開かれていたことが判明します(武州文書)。貞享4年(1687)刊『江戸鹿子』は、12月17日から19日まで、「浅草観音堂市」において「正月のかざり道具」が売られていたことを記しており、この頃から浅草寺歳の市が開かれていたことが明らかです。
江戸・東京では様々な場所で歳の市が開かれていましたが、浅草寺歳の市が最も盛んであり、正月用品や縁起物、日用品などを求める人々の需要に応えてきました。最盛期には浅草寺境内だけでなく、上野や浅草橋にかけて、周辺が広く賑わっていました。
羽子板は新春厄除けの意味をもつ羽根突きの用具ですが、江戸後期に押絵羽子板が登場して、贈答・鑑賞用の品物としても人気を博しました。羽子板は女児の初正月を祝う贈答品として、男児の初正月に贈る破魔弓とともに、歳の市の主要な商品でした。日用品を売買する場が、次第に市から常設店に移っていく中、歌舞伎役者や振袖姿の女性などを写した押絵羽子板は、浅草寺歳の市を代表する商品となっています。
明治時代に設立された東京押絵羽子板組合は、歳の市における羽子板店の出店を統轄してきましたが、昭和19年(1944)頃には戦争のため休止状態となり、戦後、東京歳之市羽子板商組合が発足しました。現在まで同組合が浅草寺歳の市を運営し、南関東の各地に所在する組合員が例年出店しています。
現在の浅草寺歳の市は、12月17日から19日にかけて、東京歳之市羽子板商組合の主催により、浅草寺境内の一部を借り、組合員がそれぞれ臨時の店舗を設営して、主に贈答・鑑賞用の押絵羽子板を販売しています。江戸時代以来の歳の市が存続する事例として貴重なものです。

浅草寺歳の市(羽子板市) (写真提供:東京歳之市羽子板商組合)
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