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板絵著色雲竜図(天井画)

ページID:293877278

更新日:2026年4月1日

下谷神社
平成12年登載
令和8年指定

大鳥居で親しまれている下谷神社したやじんじゃの拝殿天井には、横山大観筆よこやまたいかんひつ板絵著色雲龍図いたえちゃくしょくうんりゅうず」が描かれています。大きさは縦174センチメートル、横296センチメートルで、湧き立つ雲の中から現れる龍を描いた迫力ある作品です。龍の輪郭は力強い墨線で表現され、かすれた筆致によって荒々しく躍動感が溢れています。一方、渦巻く雲やうろこには淡い墨が用いられ、後頭部から流れる雲や髭、眼、爪などの細部には胡粉ごふん金泥きんでいが施されています。

画面左下には「昭和甲戌之春しょうわきのえいぬのはる 大観」と墨書され、「鉦鼓洞主しょうこどうしゅ」の印章があります。「昭和甲戌」は昭和9年(1934)の干支で、「鉦鼓洞主」は、池之端にあった横山大観邸の客間「鉦鼓洞」に由来する号です。

横山大観(1868~1958)は、東京美術学校第一期生として学び、日本美術院の発展に尽力した日本近代画の巨匠です。池之端茅町(現在の池之端一丁目)の自宅で数多くの作品を制作し、昭和32年(1957)には台東区名誉区民第1号となりました。代表作に、『無我むが』(明治30年(1897))、『生々流せいせいるてん転』(大正12年(1923))などがあります。

下谷神社は、かつて「下谷稲荷したやいなりしゃ社」と呼ばれていましたが、明治5年(1872)に現在の社名へ改称されました。関東大震災で社殿を焼失した後、昭和6年(1931)に再建工事が始まり、昭和9年(1934)に完成しました。現在の社殿は、このとき再建されたものです。本図は社殿再建に際し、氏子らの願いに応え、大観が制作しました。制作にあたっては下絵したえを作成し、それを天井に貼りながら全体の調子を整えたと伝えられており、制作過程に関する記録が残されている点でも貴重です。

龍図は古くから寺社建築の天井画として描かれてきました。大観は龍を題材とした作品をいくつか制作していますが、そのなかでも本図は初期の作品に位置づけられます。昭和11年(1936)『龍蛟踊四溟りゅうこうしめいにおどる』(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)の左隻させきや、昭和12年(1937)『龍』(山種美術館蔵)などにも本図と同様の龍が確認されることから、大観の龍図を考察する上で重要な作品です。

平成12年(2000)に台東区有形文化財(絵画)として登録され、令和8年(2026年)に台東区有形文化財(絵画)に指定されました。


板絵着色雲竜図

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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