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紙本著色慈眼大師縁起絵巻

ページID:608742817

更新日:2024年2月20日

寛永寺
平成19年登載、同22年指定

 紙本著色慈眼大師縁起絵巻(3巻)は寛永寺の開山、天海(慈眼大師、1536~1643)の生涯の諸事跡を絵巻にした高僧伝絵です。本縁起絵巻は紙本著色元三大師縁起絵巻と共に、両大師縁起として住吉具慶すみよしぐけい(1631~1705)によって描かれました。具慶は、関東へ下向した延宝7年(1679)11月から翌年3月にかけて、滞在中の寛永寺泉龍院でこれらの縁起絵巻を制作しました。なお詞書、奥書は天海の直弟子、胤海いんかいによるものです。各巻は、上巻(詞書5段、絵5段)、中巻(詞書5段、絵5段)、下巻(詞書6段、絵5段)で構成され、上巻は天海の出自から慶長14年(1609)後陽成上皇から杖、綾の法服、燕尾の帽子を賜り、さらに毘沙門堂門室に補され、僧正に補任されるまでを、中巻は、同17年の川越喜多院の復興から寛永寺創建まで、下巻は滋賀院の創建から入寂までを描きます。なお本絵巻は現在伝えられている天海に関する3種の大師伝のうち胤海伝の原本で、この胤海の詞書に略画を添えたものが、本絵巻完成の年に出版されました。
 本縁起絵巻は、住吉具慶の代表作のひとつで、制作年代や制作の背景が明らかな作品として貴重で、具慶の基準作例として重要です。また詞書は、天海の弟子であった胤海が記したもので、縁起絵巻が完成した直後に刊行され流布したように、古くから著名な作品です。さらに本絵巻に描かれた寛永寺の伽藍は、創建当初の寛永寺境内の様子を詳細に描写し、寛永寺あるいは上野の山の歴史を知る上でも貴重な資料です。

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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