腹掛・股引作り
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更新日:2012年2月8日
森村英一
平成5年度指定(平成22年認定解除)
足袋屋には、室内用足袋を扱う店と、外で仕事をする職人の足袋を作る店の2種類があります。後者は、江戸後期から昭和初年まで、足袋のほか印半纏・腹掛・股引など職人が身に着けるもの一式を手掛けてきました。この足袋屋の技術を受け継いでいるのが、豊多屋〈とよだや〉足袋店の森村英一さんです。
森村さんは、昭和5年、竜泉生まれ。名人と呼ばれていた父、政吉氏(故人)から技術を学びました。現在、印半纏・足袋は製作していませんが、主に祭礼用の腹掛・股引を作っています。
腹掛は、防寒用の胸当が汚れ防止用に変わり、火消し装束の影響を受け、現在の形になったのは江戸後期と考えられます。股引は、室町時代の史料に見られる、ももはばきが変化したと考えられ、元々仕事着として開発されたもので、立ち居に楽なように仕立ててあります。
江戸の職人は、股引は細ければ細いほどよいと踵に紙を当てすべらせてはいたというほどで、森村さんは、足首からふくらはぎまで体の線にぴったり合わせる技術を持つ数少ない職人です。そのためには、採寸・裁断・縫製まで1人の手で行うことが欠かせず、既製品であふれた今日では貴重な伝統技術です。
森村さんは平成22年2月3日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。
森村さん
股引
腹掛
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