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簾作り

ページID:928984707

更新日:2024年5月27日

田中政雄
平成元年指定(同5年保持者死亡により解除)

 簾は、日本の家屋で古くから使われました。
 中世の絵巻には、宮廷の広い寝殿を御簾で仕切り、庶民の家にも窓や入口にかけられた簾が描かれています。江戸でも簾は武家屋敷、神社仏閣、商家にと広く普及し、製簾業は盛んになりました。
 簾は、通風を良くし、日除け、目隠しという使い方だけでなく、生活様式に合わせて簾戸や簾をはめ込んだ衝立、屏風などの応用すだれが作られました。のり巻き、せいろ用などの小物すだれは食生活に使われてきました。
 今日、家屋の洋風化、冷房装置の発達などで簾の需要は減っています。しかし、古くから日本人の生活の中にとけこんできた簾は、最近、住宅空間を演出するインテリアとして見直されてきています。
 田中政雄さん(明治45年生)は、墨田区本所で祖父から続く簾職の家に生まれました。大正6年台東区千束に移り住み、11才ごろから父安太郎さんのもとで簾作りを学び、伝統的な製法で制作を続けました。
 伝統的な簾の製法は、タケ・アシ・ハギ・ゴギョウなどの天然の材料で、投げ玉と編み台を使い、下ごしらえから編み・仕上げまで手作りです。編みの技法は、8種伝えられるほかに、高度な装飾技法として竹を削り文字や絵を浮き立たせる「すかし」の技法がありますが、田中政雄さんはこの技法の最高の技術を保持していました。
 現在は、息子の義弘氏および孫の耕太朗氏が家業に従事しています。


「すかし」の完成品

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生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

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ファクス:03-5246-5814

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