<2015年1月に提出された推薦書の概要>
・推薦名称 「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」
(L’Œuvre architecturale de Le Corbusier ― Une contribution exceptionnelle au Mouvement Moderne ―)
・構成資産
国 名 |
資産の名称 |
設計決定年 |
フランス(10) |
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 |
1923 |
ペサックの集合住宅 |
1924 |
サヴォア邸 |
1928 |
ナンジュセール・エ・コリ通りのアパート |
1931 |
マルセイユのユニテ・ダビタシオン |
1945 |
サン・ディエの工場 |
1946 |
ロンシャンの礼拝堂 |
1950 |
カップ・マルタンの小屋 |
1951 |
ラ・トゥーレットの修道院 |
1953 |
フィルミニの文化と青少年の家 |
1953
~1965 |
スイス(2) |
レマン湖畔の小さな家 |
1923 |
イムーブル・クラルテ |
1930 |
ドイツ(1) |
ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅 |
1927 |
ベルギー(1) |
ギエット邸 |
1926 |
アルゼンチン(1) |
クルチェット邸 |
1949 |
インド(1) |
チャンディガールのキャピトル・コンプレックス |
1952 |
日本(1) |
国立西洋美術館 |
1955(※1) |
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*1 設計契約時期と設計図面の日付のうち最も古いものを考慮して1955年を採用しています。 |
・概要
ル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887〜1965)は、パリを拠点に活躍した建築家・都市計画家。建築・都市計画のみならず絵画、彫刻、家具などの制作にも取り組み、小住宅から国連ビルの原案まで幅広い創作活動を展開した。合理的、機能的で明晰なデザイン原理を絵画、建築、都市等において追求し、20世紀の建築、都市計画に大きな影響を与えた。
本件は、世界各地に所在する彼の建築作品のうち、7カ国(フランス・スイス・ドイツ・ベルギー・日本・アルゼンチン・インド)に所在する17の資産について、一括して世界遺産に登録しようとするものである。
本件は、フランスの推薦枠によって行われている。
本件は、2008年に最初に推薦し、2009年の世界遺産委員会において「情報照会」決議となった。これを受け、2011年に追加情報の提出を行い、同年の世界遺産委員会において「記載延期」決議となった。
・顕著な普遍的価値
評価基準(ii)
建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値感の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
○ル・コルビュジエの建築が全世界に与えた大きな影響力:
ある期間にわたる価値観の重要な交流を示す。ル・コルビュジエは、新しい建築の概念を広め、20世紀における世界中の建築に大きな影響を与えた。
※国立西洋美術館は、ル・コルビュジエが日本に残した唯一の建築作品。彼の作品のアジアへの影響の証左であるとともに、国立西洋美術館がアジアに与えた影響も大きい。
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評価基準(ⅵ)
顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
○建築によるアイデア(思想)の具現化:
ル・コルビュジエの作品は「近代建築運動」という顕著な普遍的価値を有する思想と直接関連している。
※国立西洋美術館については、平面計画、動線計画、空間構成などに渦巻き状に建築を拡張できる「無限発展美術館」というル・コルビュジエの建築的思想が顕著に示されている。 |
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