<提出までの経緯>
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改訂推薦書の表紙 |
2009(平成21)年の第33回世界遺産委員会において、「情報照会」決議を受けました。その後、登録実現へ向けて、6カ国会議や国内では文化庁を中心とした会合等を行い、検討を重ねてきました。
2011(平成23)年2月1日、関係6カ国を代表して、フランス政府から追加情報(改訂推薦書「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」が提出されました。
(1)「顕著な普遍的価値」の証明を強化
近代建築運動と20世紀建築への顕著な貢献の点について、構成資産が世界遺産としてふさわしいものであることを証明するため、追加資料を示し、説明を行いました。
国立西洋美術館については、「無限に成長する美術館」の構想を具現化した完成度の高い建築作品であり、その代表例であることを説明しました。
(2)緩衝地帯の再検討
すべての構成資産の緩衝地帯について再検討を行い、必要に応じて改訂を行いました。
国立西洋美術館の緩衝地帯は、上野公園全域を範囲としており、法的な規制がかけられています。今回、景観分析を行い、景観が保全され、建物としての価値が守られていることを再確認しました。
(3)構成資産数の変更
世界遺産の評価基準を踏まえ、構成資産の再検討を行いました。その結果、フランスの「クック邸」と「救世軍難民院」、スイスの「シュウォブ邸」の計3件を除外し、構成資産数を22件から19件に変更しました。
(4)6カ国自治体間の連携強化
「ル・コルビュジエ建築資産自治体協議会(Association des sites LE CORBUSIER)」を創設しました。
(5)タイトルの変更
推薦書のタイトルを「ル・コルビュジエの建築と都市計画」から「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」に変更しました。
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【参照】改訂推薦書「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」 |
国 名 |
建築物の名称 |
設計完了年 |
ドイツ(1) |
ヴァイセンホフ・ジードルング の住宅 |
1927 |
アルゼンチン(1) |
クルチェット邸 |
1949 |
ベルギー(1) |
ギエット邸 |
1926 |
フランス
(12) |
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 |
1923 |
ぺサックの集合住宅 |
1924 |
サヴォア邸 |
1928 |
スイス学生会館 |
1930 |
ナンジュセール・エ・コリ通り のアパート |
1931 |
ユニテ・ダビタシオン |
1945 |
サン・ディエ工場 |
1946 |
ロンシャンの礼拝堂 |
1950 |
カップ・マルタンの小屋 |
1951 |
ジャウル邸 |
1951 |
ラ・トゥーレットの修道院 |
1953 |
フェルミニのレクリエーション・センター |
1953
~1965 |
日本(1) |
国立西洋美術館 |
1955(※1) |
スイス
(3) |
ジャンヌレ邸 |
1912 |
レマン湖畔の小さな家 |
1923 |
イムーブル・クラルテ |
1930 |
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フランスの「クック邸」、「救世軍難民院」、スイスの「シュウォブ邸」を除外して6カ国19資産となりました。
※1 設計契約時期と設計図面の日付のうち最も古いものを考慮して1955年を採用しています。 |
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国立西洋美術館
(日本 1955年) |
ロンシャンの礼拝堂
(フランス 1950年) |
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サヴォア邸
(フランス 1928年) |
マルセイユのユニテ・ダビタシオン
(フランス 1945年) |
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