糖尿病と合併症について
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更新日:2025年10月3日
糖尿病とは、血糖値を下げる働きをもつインスリンが不足したり、働きが悪くなることにより、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなり、その状態が続いてしまう病気です。血糖値が高いと言われても、初期段階での自覚症状はほとんどありません。のどが渇きやすい、体重が減ってきたという症状が現れた頃には、病気がかなり進行しており、合併症を引き起こす可能性が高まります。
血液検査結果を確認してみましょう
糖尿病の疑いがあるかどうかは、血液検査で確認することができます。
健康診断では、原則として空腹時の採血で測定した血糖値(空腹時血糖)、またはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値で判定しています。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは?
HbA1cの値は、採血前1~2か月間の血糖値の平均的な状態を反映しています。
血糖値とは違って、直前の食事の影響を受けません。
合併症を知っていますか?
糖尿病で一番怖いのは、糖尿病がもとになって引き起こされる様々な合併症です。
血糖値の高い状態が続くと、全身の血管が障害を受けます。
糖尿病網膜症
目をカメラに例えたとき、フィルムにあたる網膜の血管に異常が生じるのが「網膜症」です。網膜症は、進行すると失明することがあり、成人になってからの失明原因の第2位は糖尿病であると言われています。糖尿病と診断されている方は、定期的に眼科の検査を受けましょう。
糖尿病腎症
腎臓には、糸球体という細い血管の塊があり、そこで血液をろ過して、体内の老廃物を尿として排出する働きをしています。糖尿病により高血糖の状態が長く続くと、糸球体の細い血管が傷つき、腎機能が低下します。一般に腎臓の動きが悪くなると、血圧が上昇し、尿中のたんぱく質が多くなり、体がむくみます。さらに進行してしまうと、血液中に有害な老廃物がたまり、生命にかかわる重篤な症状を引き起こし、人工透析が必要になることもあります。
歯周病
歯周病の毒素はインスリンの働きを妨げます。歯周病によって歯を失うと、噛まない食事が増え栄養バランスが偏ります。また、糖尿病だと、免疫低下により歯周病にかかりやすくなります。唾液の分泌も減るため、歯周病菌が増えやすくなります。このように、糖尿病と歯周病は互いに悪影響を及ぼし合う病気です。
糖尿病神経障害
高血糖の状態が長く続くとインスリンがよく働かないため、ブドウ糖がうまく利用されずに別の物質となって神経にたまることや、神経の周りの血管が障害されることにより、「糖尿病神経障害」が引き起こされます。末梢神経が障害されると、足の裏に紙を貼ったような違和感があったり、正座の後のようなしびれが続いたり、冷える、ほてる、刺すような痛み、といった症状が出ます。
動脈硬化による脳梗塞、心筋梗塞
動脈硬化とは、動脈の壁の弾力性がなくなり、血管が詰まりやすくなった状態を言います。
動脈硬化は、程度の差はあるものの、歳をとれば誰にでも起こりますが、糖尿病や脂質異常症があると、より早く進行します。動脈硬化により、脳、心臓、足の動脈が詰まると、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こすおそれがあります。
動脈硬化による糖尿病足病変
動脈硬化により足の血管が細くなり、足先まで血液が十分に流れづらくなることに加え、上記のとおり糖尿病神経障害により足の感覚が鈍くなります。このような足に、外傷、靴擦れ、ウオノメ、低温やけどなどの傷が出来ると、潰瘍や壊疽へと悪化することがあります。足の小さな変化に早く気づき、こまめに手入れをすることが大切です。
合併症を予防するために、早期発見・早期治療をすることが重要です。
糖尿病に関する資料や関連サイト
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台東保健所 保健サービス課栄養担当
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