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絹本著色慈恵大師画像

ページID:671078318

更新日:2024年2月20日

護国院
平成15年登載

 平安時代の高僧である良源(912~985)は慈恵大師・元三大師がんざんだいしとよばれます。信仰の対象となり、多数の画像・彫刻が制作されてきました。
 護国院は江戸幕府の御用絵師を務めた住吉派の菩提寺です。本図は延宝7年(1679)前後に、住吉派二代の住吉具慶ぐけい(1631~1705)が制作しました。この頃、具慶は寛永寺泉龍院に滞在して『元三大師縁起絵巻』『慈眼じげん大師縁起絵巻』を制作しています。
 護国院所蔵の『東叡山 護国院小伝集』によると、護国院の依頼で具慶が本図を制作していたところ、具慶の門人が禁忌を破り肉食したため罰せられたといいます。このため本図は一時放置されたようです。
 それから数年後、貞享4年(1687)に、住吉派初代の住吉如慶じょけい(1598~1670)の菩提のため、住吉広保ひろやすをはじめとする住吉派の門人5名が本図に補筆補彩をおこない、護国院に寄進しました。
 画中で良源は左手に独鈷杵とっこしょ、両手で念珠をもって、三曲の屏風を背にして礼盤らいばん上に座し、礼盤の前左右には二童子が侍立しています。屏風には山水、良源の右肩上方には龍、頭上の幔幕には日・月・星辰、礼盤の格狭間こうざまには唐獅子一対が描かれています。
 画面上部の料紙には寛永寺の学頭や護国院の住職を務めた慈海(1624~93)による賛が記されます。賛文は『慈恵大師講式』2種のうち『沓冠とうかん式』の冒頭の句です。
 その後、嘉永2年(1849)にも住吉弘貫ひろつらによる修補がありました。本図は慈恵大師信仰や住吉派に関する貴重な資料として、護国院に伝来しています。


絹本着色慈恵大師画像

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