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木造摩利支天立像(徳大寺)

ページID:287751741

更新日:2025年5月22日

徳大寺
令和7年登載

 徳大寺は、妙宣山と号する日蓮宗の寺院です。創建についての詳細は不明ですが、開山である慈光院日遣が承応2年(1653)に示寂しており、さらに寛永19年(1642)の「寛永江戸全図」に記載があり、寛永年間の創建と考えられます。 
 本木造摩利支天立像は、針葉樹材、頭・体の幹部は一木造とし、足下の猪は腹の付近で前後二材矧を基本とします。大きさは総高38.4cm、像高19.4cmです。像本体は、素地に直接白色下地をつくり彩色を施したと思われます。現状は黒色を呈していますが、随所に当初の彩色の痕跡が認められます。 
 本像は聖徳太子による制作と伝え、成遠院日達が関東へ下向する際に、京都本法寺で霊夢感得し、その後宝永5年(1708)9月に当寺へ安置されたといいます(『御府内寺社備考』)。 
 摩利支天は陽炎を神格化したもので、その信仰は平安時代にさかのぼります。関係経典には猪の背に立つ天女形として説かれますが、近世以降は明王形で猪に直立してあらわされることがもっぱらでした。本像はその典型の姿かたちを示すもので、ことに一頭の猪の背に立ち、宝剣を握る姿は、近世日蓮宗寺院で信仰された姿をあらわすものといえます。像本体および足下の猪は当初そのままの姿をとどめており、制作年代は当寺に伝来した江戸時代前期にさかのぼります。 
 本像は小像ながら、近世以降の日蓮宗で受容された摩利支天像の貴重な作例です。徳大寺では本尊と同様に信仰されており、当地にあっても今日に至るまで広く親しまれてきた尊像です。本像は当寺の歴史や、江戸の摩利支天信仰を考えるうえでも重要です。 

お問い合わせ

生涯学習課文化財担当(生涯学習センター)

電話:03-5246-5828

ファクス:03-5246-5814

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